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2019年3月13日 (水)

いびつな「国策産業」の破綻 「ゴジラとアトムーその一対性―」(加藤典洋)から

1img_0195 いびつな「国策産業」の破綻

「ゴジラとアトムーその一対性―」(加藤典洋)から

 

 いちいち「ごもっとも」、そう言いたい論考だ。加藤典洋(私はかとうてんよう、と呼んでいたが、かとうのりひろなのですねー)の「政治・社会論集」として刊行されている『日の沈む国から』(岩波書店、2016年8月4日 第一刷)。2019年春の今もでもその通りだと思う指摘は、2年半前の論考だったーそれを知ったのは、この本の小論「ゴジラとアトムーその一対性」を読んでから。小論といっても199頁から246頁にかけての47頁もある論考だ。

 その指摘、「原発が原爆のコインのふたつの裏側にすぎないこと」、「戦後の日本社会が抱える大きな問題が福島第一原発事故を契機に露頭した」、これらはもう世間に広く知られてきている。しかし、「平和利用は国策プロジェクトの別名にほかならない」といった言い回しは、承知はしていても、新鮮だ。また、原発は「必要があれば、日本が核武装できる技術的ポテンシャルを確保するため」といった指摘も「必要があれば」という一言を加えるだけで、さらに説得力を持つ指摘になっている。

 なによりも、以下の指摘、見方は、その一言が福島第一原発事故の示す歴史的位置づけをわかりやすく示したもので、「確かにそうだね!」と言いたいところだ。

言いたいことはこうだ。福島第一原発事故は、戦後日本の政治が隠し持ってきた意図を体現させてきた「原子力産業」の危うさをあっと言う間に赤裸々にしたこと、核燃サイクル政策も含めて、その政治的、社会的、経済的な「総体」がぶっ飛んだ、あるいは、総体のもろさが露呈し、そこに世間の人たちが感づいた、気づいたこと(加藤典洋は、「破綻」という言葉を使っているがー)。

そして、「この社会のしくみでは、いかんぜよ」。そのように私や私たちの目線、姿勢、構えが変わってきた、さらに「これは何とかしないといけないな」、というように、さまざまな社会事象にかかわり、「転換」のための手段を何らかのかたちにしようとする場面に立ち会うようになってきた^そのように言えるのではないか。3・11福島第一原発事故から8年(もう8年!)が過ぎ、今、私の周りを見渡すと、それが現実の姿になってきているー。

 

(以下は、加藤典洋の「ゴジラとアトムーその一対性」から)

「平和利用」という原子力産業について、「市場原理を度外視した、いびつな『国策産業』とさせてきた原因であり、今回の事故は、その総体が、破綻を来した図にほかならかったのである」。

 

 

 

 

 

 原子力の「安全神話」の崩壊は、原発が原爆と同じコインの二つの裏側にすぎないことを明らかにしたのだが、そのことを通じて、一つには原爆投下の問題が何一つ解決されていないこと、そこに被爆者の問題、原爆による死者の問題、さらには戦争の死者をめぐる問題までが含まれていることを教え、もう一つには、そのことを含んで、このことの背後に控える戦後の日本社会の抱える問題が、相当に大きなものであるということ、それがこの事故を契機に露頭したのであることを、私たちに示唆しているのである。

 

 「平和利用」は、さまざまな矛盾をそこに抱え、隠しもつことでここまで日本社会が育ててきた国策プロジェクトの別名にほかならない。それは、表向きは資源にとぼしい日本のエネルギー政策の根幹である。そのシンボルとして国は当初から夢の技術としての核燃料サイクル政策を基本に据えてきたー中略―核燃料サイクルによるプルトニウムの確保、原子力技術、企業・産業のしくみを通じて、つねに必要があれば日本が核武装できる技術的「ポテンシャル」を確保するためのー国民に合意をはからないまま遂行してきたー「国策」の基幹部分であった。

 

 平和利用は軍事利用の隠れ蓑となる。それが「平和利用」政策のそもそもの起点から内奥深く埋め込まれた秘密であり、日本における原子力産業を、ほかの一般の産業とは隔絶した、秘密主義で、市場経済の原理を度外視した、いびつな「国策産業」とさせてきた原因であり、今回の事故は、その総体が、破綻を来した図にほかならかったのである。

(折々の状況 2019年3月13日)



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2018年11月23日 (金)

今季は24日(土)、25日(日)まで。 12月から冬季休業ですー。




Photo 霧降文庫」は11月4日(土)、11月25日(日)の2日間のみ、今季最後のオープンといたします(いずれも正午~日没)。この週末は天気も良さそうですから、冬の気配が近づいてきた晩秋の霧降高原におでかけください。



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12月から来春まで、例年と同じく、「冬季休業」に入ります。2018年はこれまでありがとうございました。また、2019年春にお会いいたしましょう。それまでお元気で。

2018年8月18日 (土)

降ってくる  詩・黒川純

降ってくる       黒川純

 

 

そりゃ、いつでも

一番若いもんだった。

振り返ると

中高年の男たちばかり

「隊列!前へー」

カモメが飛んだ

一番列車に乗って行こう

ふさふさの長髪が

白髪の長老に

止めるくれるなおっかさん

樹海にさ迷い

人民の海に溺れ

背中の銀杏が降っていた。

 

 

けげんそうに若者が問う

「それで、京都のどこあたりに?」

「京都じゃないよ」

紅い椿の森陰で
かんかんがくがく

「ぜいたくは素敵だ!」

青空を乗せた火炎瓶

あれもこれも

大魔神の怒りの炎

その雨を視たかい?

真っ青な空から降ってくるんだ

辺り一帯を焼き尽くす

ナパーム弾さ

 

 

放射能が降っています

真犯人を追い詰めろ!

ざわわーざわわーざわわー

朝日のごとくさわやかに

あの夏の鉄の暴風

とてもやり切れない

想い出は地面に浸み込む

今でも沖縄では

小学校の体育の授業中

米軍のヘリコプターから

児童たちのすぐ先に

窓ガラスが降ってくる。



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8月19日から臨時休業いたします  都合により「霧降文庫」

「霧降文庫」は、都合により、8月19日(日)から、半月間ほど、「臨時休業」になります。ご連絡いたします。Photo

2018年8月16日 (木)

自然壊すメガソーラー、いらない 横根高原計画で日光市に質問状

日光市長   大嶋一生様 

2018年8月3日(金)

「足尾町横根地区メガソーラー発電所計画状況について」質問事項

 

「横根高原の自然を守る日光市民の会」

 

                     共同代表  神山隆之

                          同   長井一雄

                          同   奈柄計治

                          同   藤井 豊

                          同   渡邊裕一

 

7月23日(月)、日光総合会館中会議室で行われた日光市による市民団体「横根高原の自然を守る日光市民の会」に対する説明会と話し合いでは、貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。だだし、時間切れのため、さらに説明を受けることがかないませんでしたので、文書で質問書を送ります。

 

私たちに対する日光市の追加の説明や考え方などについて、8月22日(水)までに文書でご回答いただければ、ありがたく思います。お手数ではありますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

●地域と共生できない太陽光発電は「不要」について

(1)資源エネルギー庁の「太陽光発電 事業計画ガイドライン」(2017年3月策定 2018年4月改訂)では、「地域との関係構築」という項目を設け、「事業計画作成の初期段階から地域住民との適切なコミュニケ―ション図るとともに、地域住民に十分配慮して事業を実施するよう努めること」と促しています。しかし、今回の「横根高原」で、事業者側に「地域住民とのコミュニケーション」や「地域住民に十分配慮して」いるところが見えません。この点をどうお考えでしょうか?

 

(2)横根高原と同じ規模のメガソーラー発電など、トラブルが目立つ静岡県の太陽光発電に関連して、経産省は「地域と生きられない太陽光発電は不要」(山崎卓矢・資源エネルギー庁新エネルギー課長)と発言しています(SBSテレビ イブアイ静岡 7月16日)。「地域と共生」できない今回の「横根高原メガソーラー発電所建設計画」は、この面からも、そもそも、無理難題を日光市に押しつける代物です。日光市のお考えはいかがでしょうか?

 

●脱法まがいのFIT法の「横根高原」事業認定について

(3)事業者側は、「横根高原」の計画地域を規制の緩やかな一区画「出力50KW以下」の「220個」に分けて「分割申請」し、2016年11月に、改正FIT法(「電気事業者再生可能エネルギー電気調達特別措置法」、2012年7月施行、2017年4月改正)の分割申請で国の事業認定を受けたようです。しかし、国はこの「分割申請」は2014年4月から禁止しています。申請自体は禁止以前かとみられますが、こうした脱法まがいの手法について、日光市はどうとらえておられるでしょうか?

 

(4)計画区域の「横根高原」はご承知の通り、地域一帯ですが、あえて「220個」に分けて、なんとしても事業認定を受けるという行為は、まっとうな企業活動とは思えません。経産省は「ルールに従わない事業者は国も認定を見直す」としているようです。今回の事業認定について、今後、国よる「認可の差し戻し」、あるいは「是正命令」も考えられなくもありません。こうしたルール違反まがいの建設計画をどうお思いでしょうか?

 

●「自然公園普通地域内工作物新築行為届出書」の不備について

(5)、事業者側は「栃木県自然公園条例」に基づき、「普通地域内工作物新築行為の届け出」を「今年3月下旬」に日光市に提出したという説明がありました。しかし、書類上の「ミスがあり、補正が必要」とし日光市はその「訂正指示」を出し、5月9日に届け出を受理したとうかがいました。日光では、1万2000筆にのぼる建設差し止めを求める市民の陳情、その陳情を日光市議会が圧倒的多数で採択しています。今年4月から日光市は太陽光発電規制条例(日光市太陽光発電設備設置事業地域環境調和条例)を施行しています。その状況を受ければ、届け出を受理しない、受け付けないという判断をすることも可能だったのではないのでしょうか?

 

(6)一方、今年4月から施行された栃木県の指導指針(栃木県太陽光発電施設設置運営等指導指針)で、横根高原のような県立自然公園は(たとえ普通地域でも)「立地を避けるべきエリア」とされています。こうした栃木県の条例に適していない「横根高原」にメガソーラー発電を計画しようという届け出は、書類上の「不備」という機会をとらえ、「無効」という判断となり、突き返すということもありえたのではないでしょうか?

 

(7)この「届け出」について、「書類上の不備」があったといい、「是正指示」をしたということですが、その「書類上の不備」、「訂正指示」は、どんな内容だったのでしょうか?また、当初の「届け出」は3月下旬という説明でした、それは3月の何日だったのでしょうか?

 

貴重な環境を守る環境保全「要綱」について

(8)鹿沼市は28年11月に「環境保全」を理由に「不適」と回答したことで、事業者側は鹿沼市から手を引き?29年3月に日光市に対し、「日光市側だけの建設計画」に切り替え、その際、30年2月、日光市側の市有地を除く「59㌶、43・5メガ」を計画しているとした相談を日光市に行ったとされます。日光市は「鹿沼市と同じく、計画に反対の立場であること、その姿勢である」ことを事業者に伝えたといいます。その際、事業者は、どのような反応、どのような返答をしていたのでしょうか?

 

(9)7月23日の説明会では、「鹿沼市のような環境保全要綱があったら、事業者側も日光市だけにこだわる計画を相談することはなかったろうし、日光市もその相談を受けられない、と、そのように説得できたのではないか・・・・・」、というようにうかがえました。メガソーラー発電所建設計画のほか、環境を破壊しかねないさまざまな再生可能エネルギー施設計画を規制していくような環境保全の「要綱」を今後、日光市も作成していく用意、日程はおありでしょうか?

 

●59㌶、43・5メガの太陽光発電所計画について

(10)事業者側は、FIT法による事業認可について、各区域を「50KW以下」に分け、「220ピース」にしているようですが、仮に最大「50KW」としても、単純計算で合計は11メガです。事業認可されているという大きさは、その約4倍です。事業者側は、これらの数字について、どのように説明しているのでしょうか?

 

(11)今後の手続きとして、県との事前協議がありますが、環境に及ぼす影響について、あらかじめ調査・予測・評価を行い、その情報を公開し、県民・市民の意見を事業計画に反映させる手続きを定めた栃木県の「環境アセス」(「栃木県環境影響評価制度」)があります。今回の「横根高原メガソーラー建設計画」は当然、この対象になると思いますが、その根拠条例や仕組みについて、わかりやすく説明してください。

 

(12)「横根高原メガソーラー建設計画」について、「環境アセス」に移る場合、電力ケーブルの敷設、希少動植物類であるクマタカ、二ホンカモシカ、チシマウスバスミレなどの生息のからみから、日光市としては、「ハードルが高い」とみているとのことでした。このような大規模なケーブルは鹿沼市側が想定されているようですが、どのルートに敷設するのでしょうか、鉄柱や変電所は?とくに鹿沼市や鹿沼市の地権者たちへの説明はあったのでしょうか?

 

●CS栃木鹿沼合同会社について 

(13)「CS栃木鹿沼合同会社」は、「資本金1円」で、27年1月22日に会社を設立し、当初の本店は、東京都新宿区西新宿二丁目1番1号新宿三井ビル50階にありました。ここはソーラー発電所の開発、建設、運用、保守管理などを行っている「カナディアン・ソーラー・プロジェクト」の住所です。しかし、29年6月1日に東京から鹿児島県鹿屋市に本店を移しています。なぜなのか?「不可解」とも思えるこの移転について、当該市としては、その事情を知る必要があります。日光市が事業者に問い合わせ、その理由を日光市として把握する一方、日光市民に説明してください。

 

(14)「CS栃木鹿沼合同会社」が、最近、事業体ごと権利を売買するかもといった話も伝わっているようですが、日光市でも「今後どうなるか、不明な点がある」とみているようです。これは私たちにも初耳です。経産省のガイドラインから逸脱する建設地の選定といい、市民や市議会の意思を無視している計画づくりといい、脱法まがいの事業認可取得といい、社会的にとても信用がおけないように思いますが、それらについて、どうお考えでしょうか?

 

●住民、市民の信頼について

(15)栃木県指導指針では特に、「地域住民と事業者との防災、景観、環境面での合意形成」を挙げています。私たちや市民の1万2000筆の「建設差し止め」は、そうした点を自然環境も含めてその思いを示し、反対の声を上げているのですが、その思い、声を行政はもっと直接に真正面から受け止められないのでしょうか?

 

(16)同じく栃木県指導指針では、「説明すべき地元関係者の範囲や内容、手順などについて、市町に相談し、検討することが有益」と指摘しています。「地元関係者の範囲」について、日光市は相談を受ける権限があります。今回のケースでは、首都圏、県内、市民が日頃親しんでいる県立自然公園であり、その「範囲」をより広くとるべきではないでしょうか?

 

(17)同じく栃木県指導指針では住民の声を「事業者は事業計画への反映を率先して行うことで、市民や住民から信頼が得られ」とあります。7月23日の説明会で日光市は「法にのっとって進めていく」ということを強調しておりましたが、このまま進むと、「市民や住民の信頼が得られる」とは思えません。日光市は今後、どのような見方、態度、姿勢で事業者に臨むのでしょうか?

 

●西日本豪雨が示すメガソーラー発電所の危険性など

(18)土地開発行為に伴う「許可基準」は、次の4つのおそれが発生しないことが必要とされています。いわく、1 土砂の流出又は崩壊などの災害を発生させるおそれがある、2 水害を発生させるおそれがある 3、水の確保に著しい支障を及ぼすおそれがある 4、周辺地域の環境を著しく悪化させるおそれがある。私たちの陳情でも記しましたが、大きな風水害や大地震などにより、計画地では「周辺地域の環境を著しく悪化させる」ことはもちろん、「土砂流出、崩壊」などの災害を発生させる恐れ」があり、「水の確保に著しい支障を及ぼす恐れ」などもリアルに想定できます。これらについて、日光市はどのような見方をしているでしょうか?

 

(19)特に今夏、平成に入って最大規模の災害となった「西日本豪雨」では、山陽新幹線の線路わきの傾斜地にあるソーラーパネルが崩壊し、安全確保のため、一時、運行がストップする事態が起きたり(神戸市)、傾斜地の太陽光発電施設が3600平方㍍にわたって崩れ落ちたりしています(姫路市)。「現在進行形」で風水害による太陽光発電所の崩壊が起きているのが現実です。「横根高原」という県立自然公園の自然や景観の保護もさることながら、ここでの開発行為がもたらす災害の可能性について、もっと、警鐘を鳴らすべきではないしょうか?

 

●日光市の主体的な態度、姿勢方針について

(20)1ヘクタール以上(都市計画区域外)は日光市の(平成21年4月から県から市への事務に)、5ヘクタール以上は栃木県の許可が必要ですが、栃木県への手続きにしても、窓口は「建設予定地の市町村」です。日光市が「意見を付与」して県へという手続きになるはずです。日光市の主体的な態度、方針が大事になると思いますが、それについてのお考えを改めてお聞かせください。

 

(21)日光市条例によると、4月の条例施行前にFIT法の「事業認定の申請がされていたため、附則第3項により適用対象外」という説明ですが、単に「適用対象外」ということだけで済むのでしょうか?「附則第3項により適用対象外」について、もっとこまかくかみくだいて説明を加えて欲しいです。

 

●沢山の市民の反対、市議会の「建設差し止め」陳情採択の重みについて

(22)これほど沢山の市民が反対し、市議会でも「建設差し止め」の陳情を圧倒的に採択したことの重みを日光市は、どう受け止めているでしょうか?今後、日光市としては、今回の計画について、反対の姿勢であることを「文書」で事業者側や私たち市民に示すことはできないでしょうか?

                   了

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