詩 薪の幸福量
炎に浮かぶのは
花弁に青々とした青空が満ちる
チベットに咲く幻の花
ヒマラヤの青いケシ
それが咲く世界の屋根の青い風か
あるいは
両頬を照らす火勢を受け
三丁目の路地裏の我が家で
夜なべ仕事を終えた父のため
真黒な火箸で風呂釜の灰をかきまわす
今日だけしか知らない
少年の私の残像か
それとも
夕焼けの故郷に勘当され
片足にぎらぎらとしたシューズ
片手に意思表示を握りしめ
暗闇の広場から影絵のように走り抜け
黒煙を上げる首都の街路を
走り抜けた青春の日々か
麦わら帽子で森のセミを追った
盛夏のあの夏から半世紀
旅の重さを確かめながら
再び故郷にたどりついた
私のそんな時間も燃やし
薪ストーブは勢いを強める
秒針がとろとろと溶けだす部屋は
もう水しぶきの夏だ
少年のころは思いつけなかった
幸福量を計る新しい公式
それを解くパズルへの参加を促す
不思議な招待状を霧降高原に届けた
青い炎のメールに
返信がかなうかなと
私はゆっくり火力を調整する
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では!返信を!!
写真投稿法、明日時間があれば連絡します。
投稿: ふぃふぁ山荘 | 2010年6月 9日 (水) 22時54分
ふぃふぁさま
(黒川純)
写真の投稿方法に悩んでいますが~~、時間のあるときで
けっこうですよ。きょうは「森の図書館」に「出勤」したので、
写真を撮っておけばよかったのだが(と、やや悔み)。
投稿: 黒川純 | 2010年6月 9日 (水) 23時12分
スタッフが揃っているから
私はすぐに越されてしまいますね
次はツイッターも控えていますから(笑い)
投稿: oyazi | 2010年6月10日 (木) 18時32分