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2010年6月 8日 (火)

詩  傷病兵の森

押し合いへしあいの号砲で

視えない痛みに倒れた傷病兵たちよ

台所仕事もろくにできずに

時候の挨拶だけはいっぱしの

野戦病院を探すくらいなら

深い霧の路を辿りながら

霧降高原を訪れてみることだ

坂道を走る青葉が案内役になるが

カレンダーは春夏秋冬のみ

天空に向かうキスゲの絨毯が

スローモーションで四季を告げる

流れゆく雲を砂時計に満たし

小川のせせらぎと禅問答すれば

バイオリン好きの美しい看護士が

ジムノペディの夢を奏で

森のエキスを少しずつ飲ませ

化膿した傷をいたわってくれる

ここでは生産労働ではなく

お互いにいたわりを交換する

魂の労働が大事にされる

痛さを少しでも和らげるなら

霧降高原を訪ねてみることだ

それには条件がある

腕時計のネクタイを外す

予定表は渓流に沈める

野鳥たちの会話に加わる

根も葉もない噂話と縁を切る

糸電話の光回線を使いこなす

冠雪したクマザサに乾杯する

蜜の味の握り飯づくりを覚える

斧や鉈を煮炊きする

舞い散る枯れ葉に山彦を聴く

さらにいえば

林から林へ飛行船でめぐり

入道雲の短編映画を制作し

流れ星で今日の夢をつくる

あれこれいろいろ挙げたが

パンドラの箱の破壊工作で

くたくたになった傷病兵には

そう難しいことではない

高原のウッドデッキで

日光連山に架かる虹を集めて

美味い紅茶を沸かせばいい

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歌・唄・詩」カテゴリの記事

コメント

一番GET!!

エルネストさま
(黒川純)
最初のタイトル「砂時計主義」は堅いので、「砂時計の夢、夢の砂時計」に。昔、「労働の夢、夢の労働」の本を書きたかった。
そのなごりかな。よくもまぁ、数十年前のことに触発されたなと。
私もなんだか、変な気持ではあるのですが~~。

良いタイトルになりましたね、、、
砂時計の微妙なせつなさが夢という文字で変化してます。

さすがに詩人であります。

今日の日光口PAは夏。
日陰にいるので元気ですが炎天下だとキツイかな??

高速料金はらってのご来店待ってます!笑い

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