「不良詩人」を生きるーその1ー 「ナンセンスのセンス」など
(嵐山光三郎の『不良定年』・新講社、2005年3月・第19刷)
不良定年は、自分の内に眠っていたオスの野生を取り戻すことである。自然児に戻れば、それで不良定年になる。「ジジイズ・ビー・バッドマン」(老人よ不良精神を抱け)と申しあげたい。不良は生きる活力源である。不良定年は自分のルールを持たなくてはいけない。世間の良識である「期待される老人像」になる必要はないーー(嵐山光三郎『不良定年』・「序章・・・不良定年として生きる」)ーー
嵐山光三郎の提案をそのまま受け取れば、「詩的生活」を実践するにあたり、自分なりの原則を考える必要がある。摸索する詩的生活をさらにぐっと「詩人」にひきつけると、「不良詩人」になろうか(どうしてそうなるのか、ごく少数の訪問者よ、問うなかれ)。この道の先輩(?)の代表は、まず嵐山光三郎だ。彼にはさらに、『「不良中年」は楽しい』、『不良中年は色っぽい』、『断固、不良中年で行こう!』、『「退歩的文化人」のススメ』、『「下り坂」繁盛記』などがある(いずれも、とても愉快。というか、「感染」しないように読めば、有益だ)。
自分のルール、嵐山光三郎が思いつくままにあげるのが、百項目。「百人いれば百通りの独断のルールがある」という。嵐山の百項目で「不良詩人の百項目」にしたいと思ったのは、3分の1ほどの30項目だった(残る70項目は私にはいまいち。興味ある人は『不良定年』を)。以下にその30項目を挙げよう。( )内も原文のまま。
1 いっさいの謙遜をしない(昔のまんま)
2 宗教活動に関与しない(無常を知る)
3 占いを信じない(あたるはずがない。自分の運は自分で開く)
4 妄想に生きる(想像力を喚起する。俳句もそのひとつであろう)
5 権威と無縁になる(断固たる決意で)
6 義理の葬儀へは行かない(疲れるだけで)
7 寂しさを食って生きる(孤独は老後の栄養である)
8 反社会(反骨の精神を忘れずに)
9 風とともに去る(危ないときは、ひらきなおって逃げちゃえばいい)
10 競争しない(わが道を行き、他者と自分を比較しないこと)
11 全力投球(それなりに)
12 ぼんやりする(休養が大切である。ぼーとする時間の空漠に身をまかす)
13 情報収集する(要領よくやりましょう。そのためには友人とはまめに会う)
14 昼間から風呂に入る(気分がよくなる。近所の銭湯の一番湯につかろう)
15 ナンセンスのセンス(理屈っぽく生きるのは、愚の骨頂)
16 テーマを持たない(なりゆきでいけ。テーマを持つとインテリに戻って、また企業戦士となる)
17 軟弱にいく(年寄りだから当然のことである)
18 唯我独尊(自分の世界へひたる。うぬぼれてけっこう)
19 自由なる日々(なにやったっていいんだ)
20 遊んで暮らす(遊ぶにはかなりの精神力がいる。遊ぶ力が不良老人の存在証明だ)
21 散歩する(山でも町でも、外国でも)
22 美的生活(これが余裕とういうものだ。一輪の野草を見つめよ)
23 感動力(小さいことに感動する精神を持続せよ.。有能な企業経営者は高齢でも「感動する力」があるものだ)
24 いたずら心(少年時代に戻る。みんな不良少年だった)
25 気弱なことをいう(なにしろ老齢なもので)
26 浴衣で宴会(銭湯に行ったあと、ビール飲んで)
27 勝手に講釈(幸田露伴のように近所の者を集めて)
28 煙草はやめない(そんなの勝手でしょ)
29 もちろん天動説(地球が回ってたまるか。どこを軸にするかで物事の判断が決まる)
30 ゆっくりと急ぐ(開高健氏の流儀で。残り限られた人生だもの)
以上が『不良定年』からの30項目。「不良詩人」では、これにあと70項目を加えたい。初回の今回はとりあえず10項目だけ(残り60項目は次回以降に。~ほんとは、まだ考えていないのだが~)。
31 「詩的生活」を生きる(世間と少しずれてもいい。自分流でいく)
32 勝手に詩人と名乗る(かなり変人だと思われ、少々のことも許される)
33 テレビはなるべく見ない(新聞とラジオとネットで充分。W杯やフィギュアスケートなどは別~)
34 ユーモアを大切にする(人生の潤滑油だもの。落語家・故林家三平の芸は見本だ)
35 孤独な深夜を楽しむ(黄金の時間だと思う。「ラジオ深夜便」もたまに)
36 餅は餅屋、船は船頭に(その道の専門家に任せる。その代わりに自分は他人のことに手がだせる)
37 爆睡する(パンをかじりながらの駆け込み出勤とおさらばする。健康のためにも)
38 演歌のカラオケも楽しむ(都はるみ、美空ひばり、八代亜紀はすごい。テレサ・テンも。人は歌うために生きている)
39 予定表は空欄を多くつくる(約束事に縛られないために)
40 反権力(不良詩人の最低条件。まして鬼っ子の全共闘世代だもの)
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コメント
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>「ラジオ深夜便」もたまに
↑
これは健康に悪い(笑)
内緒ですが、前回、私、完全なヨッパライでした(爆)
投稿: 日光を漂ふ | 2010年7月 3日 (土) 05時53分
漂ふさま
いや、NHKは嫌いですが(いつも体制べったりなので)、
「ラジオ深夜便」は別。ゆっくりした口調がいい。五木寛之
の語りや「高原列車が行く」なども。前回の出演は「完全な
ヨッパライだった」とか(居酒屋をおごってくれれば、世間に
内緒にしておきます)
投稿: 砂時計 | 2010年7月 3日 (土) 13時03分