アラセブ(70歳)初当選 花巻市議選で高齢者の星に
アラセブ(70歳)増子義久さん 岩手県花巻市議選に初当選
岩手県花巻市議選(定数34)の投開票が25日あり、「アラセブ」(70歳)最期の決断!として、初めて立候補した元朝日新聞記者、増子義久さんが無所属で初出馬、初当選を果たした。「砂時計」としては、花巻市民から高齢者の「星」として期待されたわけで、大いに喜びたい。
「無投票選挙を許すことは、民主主義の根幹を否定することにつながる」。新聞も定数割れの可能性を報じている状況に立ち上がった。朝日新聞記者35年のキャリアがあるが、定年退職で生まれ故郷の宮澤賢治の古里・花巻に戻ったのは10年前。
花巻では知的障害者施設の施設長として活躍してきたが、なにせ、地元に帰ってからまだ10年(もう10年も、とも思うが、市町村議選は、どこでもまず地縁血縁がものをいう)。立候補表明も告示直前だ。当初は「泡沫候補の一人」(本人の弁)だった。しかし、増子さんによると、選挙戦に入ると、がぜん、地元高校の同窓生や福祉施設関係者などの熱い支援を感じられるようになった。結果は1119票を獲得。第30位で議席を得た。
朝日新聞岩手版によると、立候補していたのは、現職27人、前職2人、新顔8人の計37人。地域政党いわてが初めて市町村議選に2人の候補者を出した。ほかに、社民3人、共産2人、公明1人。
花巻市選管によると、当日有権者は8万4272人(前回8万5646人)。落選者は、いずれも無所属新顔の3人。地域政党いわて,が市町村議選で当選者を出したのは今回が初めて。それも一気に複数の当選者を出したことになる(県議選ではつい最近の県議補選盛岡選挙区で一人を立て、当選している)。
増子さんは18日の出陣式を宮沢賢治碑前広場で開いた。選挙戦終盤に増子さんに状況を聞いたところ、個人演説会の最後に参加者全員で宮沢賢治の精神歌(花巻農学校精神歌)を歌いあうなど、破天荒な選挙戦を展開。支援者も面白がって支援してくれていたという(当選が決まったときも選挙事務所=自宅に集まった支持者らとバンザイは当然だが、精神歌も歌いあったという。実に愉快な祝勝会だったろうな~)
出馬表明は7月上旬。選挙は半年前には準備を始めるのが常識だが、本当に選挙直前だ。それでも。支援者が面白がって担ぐ選挙はまず大丈夫なのが相場だ。下位当選だったが、地元ではいわば「無名の新人」が1000票以上を得たというのは、そうした選挙の熱気の結果だろう。
投開票当日、増子さん本人から「当選」の連絡を受けたのは26日午前零時ごろ。支持者らとのお祝いが一段落したところで、当選の喜びを語ってくれた。
「選挙直前での立候補表明で、1000票以上もとれたのは奇跡、まさにミラクルだ。自分が応援していた「人生再出発」で立候補した細川宏幸君(41)も893票の31位で当選した。『人生再出発』と『人生最期の決断』の2人の両方が当選しなければ意味がないと言ってきたが、結果はオーライ。私はもう失うものはない、手負いの狼か熊みたいなものとして、花巻市議へ」
増子さんと20年余の付き合いがある「砂時計」としては、花巻市も花巻市議会も、これからかなり面食らう場面があるだろうな~と、市と市議会にやや同情も(笑い)。でも、 「手負いの狼か熊」の、その意気や良し(これこそ「詩的」だもの)。「砂時計」も「当選おめでとうございます」と明るくお祝いのことばを贈らせてもらった。もともと、朝日新聞でもアウトロー的記者でいたが(激しい「詩的精神」の持ち主なので)、街頭演説でも、こう叫んだという。
「これから、花巻が抱える問題のルポルタージュを書きますよ。それをリュックサックに詰め込んで、市議会に乗り込みます。10年ぶりに新聞記者に戻れることを喜んでいる。わくわくしている」。
詳しい選挙結果と選挙戦の模様は以下に。
« 清楚な美人に会いにゆこう(1) 小杉日光美術館で「高畠華宵の大正イマジュリィ」 | トップページ | 清楚な美人に会いにゆこう(2) 小杉日光美術館で「高畠華宵の大正イマジュリィ」 »
「団塊世代」カテゴリの記事
- 「何か善いことをしているときにはー」 吉本隆明の「視点」を「折々のことば」が紹介(2024.04.03)
- 担当医の「おめでとうございます」にいささかびっくりー 「胃がん」手術から5年経過、「完全に治りました」。 (2023.12.21)
- リアルタイムの「あの熱い時代は何だったのか」 池上彰「昭和の青春 日本を動かした原動力」(講談社現代新書)(2023.12.01)
- 山本義隆がついに公に発言だ 「私の1960年代」(2015.10.07)
- 無呼吸のまま潜水を続けられる思考の体力 『哲学の使い方』(鷲田清一)(2014.11.05)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: アラセブ(70歳)初当選 花巻市議選で高齢者の星に:
» 北上市 みちのく芸能まつり [(株)小田島組 e-みちつくり隊]
(株)小田島組 e-みちつくり隊・事務局からのブログです。 [続きを読む]
« 清楚な美人に会いにゆこう(1) 小杉日光美術館で「高畠華宵の大正イマジュリィ」 | トップページ | 清楚な美人に会いにゆこう(2) 小杉日光美術館で「高畠華宵の大正イマジュリィ」 »
こんな事になっていたなんて~!
10年ぶりに新聞記者に戻れる事を喜んでいるなんて、
かっこ良いセリフが、似合う。
投稿: ハル | 2010年7月28日 (水) 16時42分