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2010年7月16日 (金)

花のように鳥のように  阿久悠小論ーその2-

Dscf0404 (「歌謡曲のない時代は不幸な時代である。歌謡曲よ目を覚ませ、餌を食え」とアピールした阿久悠の『歌謡曲の時代』(2004年9月、新潮社)

 阿久悠があの世に旅立ったのは07年8月1日。もうすぐ丸3年になる。死因は尿管ガン。70歳だった。悲報を新聞で知った朝、「えっ!」と驚いたことを、よく覚えている。その死がいかに出来事だったか。朝日新聞「天声人語」、読売新聞「編集手帳」、毎日新聞「余録」と、3社が一斉にコラムで惜しんだことからも、わかる。

 朝日新聞は「また逢う日まで」(尾崎紀世彦)、「北の宿から」(都はるみ)、「勝手にしやがれ」(沢田研二)といった日本レコード大賞受賞曲など、生涯に作詞した歌詞は5千曲に及ぶと、紹介していた。大みそかのNHK紅白歌合戦も阿久悠の作詞した曲で締めくくられた。「津軽海峡冬景色」(石川さゆり)、「あの鐘を鳴らすのはあなた」(和田アキ子)、「契り」(五木ひろし)、「北の蛍」(森進一)の4曲だ。

 確かにそれらも代表曲だ。だが、私からすると、むしろ、八代亜紀の「舟歌」、小林旭の「熱き心に」、そして河島英五の「時代おくれ」の方に親しみがある。カラオケでも調子がでてくると(?)、歌いたくなってしまう(で、実際に歌っていたり、歌ってもらったり。そんなことがある)。ということで(?)。

時代おくれ(作詞・阿久悠、作曲・森田公一、1986年)

一日ニ杯の 酒を飲み

さかなは 特にこだわらず

マイクが来たなら 微笑んで

十八番を一つ 歌うだけ

妻には 涙を見せないで

子供に 愚痴をきかせずに

おとこの嘆きは ほろ酔いで

酒場の隅に 置いて行く

目立たぬように はしゃがぬように

似合わぬことは 無理をせず

人の心を 見つめつづける

時代おくれの 男になりたい

 『歌謡曲の時代』で、阿久悠は「時代おくれ」について、こう書いている。

 「貧しいより豊かがいいに決まっているのだが、ただの拝金時代が美しい見える筈がない。着飾れば着飾るほど、寂しく見え、金満を誇れば誇るほど、哀れが目立つ社会を見て、正直似合わないなあと感じていたので、これを書いた」

 「時代おくれ」を歌った河島英五は2001年4月に48歳の若さで急逝している。その河島英五は生前、阿久悠に遠慮気味に不満を口にしたことがあるという。「あれはちょっと、カッコよ過ぎますよ」。確かに、私にしたって、カッコいいけど、マジに歌うには勇気がいると思ったことだった(だから、スナックでも、この歌だけは、もっぱら聞き役に回っていたことを思いだした~)。

 寄り道をしてしまった。「白いサンゴ礁」に話題を戻そう。生まれたのは1969年。大学闘争がピークを迎えていたときだ。しかし、70年から数年間の私は「白いサンゴ礁」を歌うような余裕はなかった。というか、そんな気分は持てていなかった。それが時が過ぎて、「~南の果ての 海の彼方に~ ひそかに眠る 白いサンゴ礁~」。こんな歌詞に魅せられるようになっていた。阿久悠自身は「ぼくのイメージの中では、どこの海の、どこの島の、といった具体性はなく、遠い遠い蜃気楼のような世界であった」という。

 「現実ではない。人間が支配するところではなく、むしろ、祈りを捧げる場である。心の真実を語りたくなるような幻想の世界として、サンゴ礁は存在した」と。そう、この「白いサンゴ礁」に妙に魅かれたのは、そんな幻想の世界、「砂時計」の用語で言えば、海の彼方のどこかに、あるかも知れない「詩的な世界」がある、そんな空想的な世界に心を飛ばすことができたからかもしれない。私がそう思えるようになったのは、この歌が生まれてから、まだ数年の歳月が必要だった(~なかなか、「花のよう鳥のように」の方に、たどりつけない~)

(「花のように鳥のように 阿久悠小論ーその3-」に続く)

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