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2010年9月 3日 (金)

花のように鳥のように  阿久悠小論ーその(8)-

Dscf2260 (阿久悠と小林亜星が選んだ「戦後歌謡曲ベスト100」には、やはり「舟唄」が入っていることがわかる『阿久悠 命の詩』 2007年12月・講談社

 「僕が司会をしていて『やられたな』と思ったのは、八代の『舟唄』だった。圧倒的な歌のよさと、いかにも年がくれていくという感じがたまらなったな」

 NHK紅白歌合戦の司会者だった山川静夫が、こう語る。「これが史上最強の『紅白歌合戦』!」と題して、阿久悠と近田春夫、それに山川が加わった座談会での発言だ(『阿久悠 命の詩』)。

 阿久悠が美空ひばり、都はるみ、八代亜紀、石川さゆり、和田アキ子を挙げ、「和田には『あの鐘を鳴らすのはあなた』を歌って欲しい」という。「その辺は文句なしに決まりですね」。そう同意した近田を受けて、山川が「舟歌」を絶賛する。

 まぁ、別に紅白の司会者の言葉でなくとも、いいのだが~。それでも、そばで聞いていて、「やられたな」というくらい、いい歌なのだと思う。浜圭介(「石狩挽歌」なども)作曲で昭和54(1979)年の第21回日本レコード大賞金賞曲。

 この79年というと、「砂時計」は、東京暮らしを続けていたとき。だが、実際にしみじみと胸に迫る名歌だと、改めて感じたのは、それから10年後、北海道は札幌の居酒屋でこの唄を聴いたときだ。

 阿久悠自身はこの「舟歌」について、こう言っている。

 「『舟唄』を書いた頃は、まだ酒を飲んでいた。お酒はぬるめの燗がいい/肴はあぶったイカでいい ・・・という気分も実感に近い。大体が騒がない酒で、はしゃぐことも、荒れることもなかった。そして、洋酒であれ日本酒であれ、酒と会話をしているような飲み方が好きだった。若い頃から、憧れていたようである」(『歌謡曲の時代』)

 歌の中ほどに挿入される詞がまたいい~。

沖の鴎に深酒させてヨ

いとしあの娘とョ 朝寝する

ダンチョネ

 この詞を聞いていると、長州藩の高杉晋作の名言として、伝わっているあの詞が浮かんでくる。痛快映画「幕末太陽傳」(1957年 川島雄三監督 フランキー堺主演)で、高杉晋作役の石原裕次郎が三味線をつまびきながら、のどかに唄う。

 幕府の役人たち(岡っ引きだったかな?)が高杉が居残りさせられている遊郭旅籠「相模屋」の部屋を調べるため、踏み込もうかという場面だ(格子の外には伊藤や井上らの志士が逃げ隠れている)。

 映画は落語的世界を幕末の志士たちが駆け抜ける「特異な世界」と評されている。確かに歴史的事実も背景に、意表を突いた底抜けに面白い映画というか、名画だ。主人公「居残り佐平次」のフランキー堺が高杉晋作と一緒になった風呂の中で唄う場面もある。

三千世界の烏を殺し

ぬしと朝寝をしてみたい

 「舟唄」のよさを、もう一度確認することを含めて、書こうとした。だが、どうも、わき道に入ってしまったよう。つまりは阿久悠は、たくさんの名歌を残しているが、なかでも、「舟唄」は別格だということを言いたかった(ここまで書いてみてそう思ったことだった~。それとも詩的生活の「朝寝」がしたいということか?)。

(「花のように鳥のように 阿久悠小論ーその(9)-」に続く)

 

お酒はぬるめの燗がいい

肴はあぶった イカでいい

女は無口な人がいい

灯(あかり)はぼんやり ともりゃいい

しみじみ飲めば しみじみと

想い出だけが 行き過ぎる

涙がポロリと こぼれたら

歌いだすのさ 舟歌を

 

沖の鴎に 深酒させてョ

いとしあの娘とョ 朝寝する

ダンチョネ

 

店には飾りが ないがいい

窓から港が 見えりゃいい

はやりの歌など なくていい

ときどき霧笛が 鳴ればいい

ほろほろ飲めば ほろほろと

心がすすり 泣いている

あの頃あの娘を 思ったら

歌いだすのさ 舟歌を

 

ぽつぽつ飲めば ポツポツと

未練が胸に 舞い戻る

夜更けたさびしく

歌いだすのさ 舟歌を

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詩論」カテゴリの記事

コメント

倉本聰脚本の「駅STATION」の中で、高倉健と倍賞千恵子が、酒場のカウンターで大晦日の紅白歌合戦に見入りながら八代亜紀の「舟歌」を聴くシーンが印象的でした。
この唄・・・好きです。

漂ふさま
私は映画でそのシーンは見ていませんが、いい雰囲気なんでしょうね。そうか、漂ふさまは(砂時計が思っている以上に)かなりの夢二的抒情派だったのですね~。

浣腸~もとい、館長~!ありますた!!

http://www.youtube.com/watch?v=3_hbTJ3vR2w

ご覧になってください。

漂ふさま
ただ酔う~もとい、漂ふさま~!見ました。!!
(今度、DVDで「駅」を見たいと思いました)

たしか、倍賞千恵子の声が大きかったんですよね、、w
意味不明?

ふぃふぁさん
 記憶が定かでないのですが、高倉健サンのセリフ「オホーツクまで聴こえると思ったぜ」だったでしょうか?
 これはyoutubeにあるのかな???(笑)

ふぃふぁさま、漂ふさま
これは「駅」を見てごらんなさい、そういう
意味ですね?(私もまずは見ることに~)

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