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2010年10月13日 (水)

詩 感傷主義者 黒川純『砂時計主義』から

Dscf4148_2詩「感傷主義者」  黒川純詩集『砂時計主義』・2008年5月・随想舎から)

 巨大な塊、団塊世代(だんかいせだい 昭和22、23、24年生まれの周辺)は戦後の鬼っ子として、さまざまな評価がある1970年前後の全共闘時代を生き、ロック・フォーク・ジャズ、アングラ演劇やATG映画、政治用語、詩の文化などにどっぷりつかってきた。

 そのうえで、ベトナム戦争、沖縄基地付き返還、カンボジアの悲劇、ソ連・ユーゴスラビアの解体、ベルリンの壁解放、とんでもないイラク戦争、韓国・中国の躍進、高度成長から土地成金、バブル崩壊、貧困時代、政権交代までリアルに並走してきた。

 その世代が定年後をどのように過ごすか。時代の価値観の変容を感じ、あるいは価値観に影響を与えた世代が、その後をいかに豊かに過ごし、ある共同的な社会とかかわっていくのか、いこうとするのか、いけるのか(「砂時計」の用語でいえば、「詩的生活」ということになるが)。

 それが巨大な単位で問われている。その行方は、戦後日本の、いや日本人の(ひいては世界の)ひとつの到達点を示すものだ。いわば、視えない壮大な「社会実験」だと思っている。

 そのひとりである「砂時計」も、かなり前から、そんな感覚を抱き、そのひとつとして、「感傷主義者」という詩を書いた。きっかけは、学生時代からの親友が中年で病死したことだった(横浜での葬儀で「砂時計」が弔辞を読んだ)。

 きょうはなんだか、そんな意味があると思っている「団塊世代」という言葉が何度も頭の中に浮遊していたので、その詩をアップすることにした。ただし、最初に発表した詩より、かなり削ってある(最近は書くにしろ、詠むにしろ、短い詩の方が性に合っている)

 

詩 感傷主義者

             黒川純

感じやすく すぐに悲しみ

涙もろくなるセンチメンタリズム

在ることそのものが

いつも社会問題だった

     団塊世代のそれが財産であり

     精神のシェルターなのだと

     遠方からの青いシグナルが

     神経細胞をニヤリとさせた

確かに寄らば大樹たちに

手に負えない鬼っ子だと

眉をひそめられてきたが

わたしも あなたの社会を問題にしていたのだ

     そうだ!

     明るい感傷主義者を名乗り

     悲しみの精神と魂たちの

     安全装置の組立工になろう

ある詩人が呼びかけたように

ある共同的なもののために

ワルシャワ労働歌で

乾杯できるように

(初出・詩誌「新・現代詩 21号」2006年6月  黒川純『砂時計主義』収録)

     

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