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2010年11月 7日 (日)

詩 ギリギリッス  現代版?イソップ物語

The_ant_and_the_grasshopper__projec (「アリとキリギリス」 WikiPedia「イソップ寓話」から転載)

詩 ギリギリッス

       黒川 純

                                   

夏に額に汗して働き

少しでも貯めていかないと

年がら年中 遊びまわっている

イソップ物語のキリギリスのように

冬になったら飢えてアリに泣きつくはめに

それに赤ん坊のミルク代も

稼ぐ必要があるから

朝も早くから労働しているんだ

                             

     友人がマジでこう話すので

     勤労精神豊かなアリになり

     小金虫のような金持ちになって

     冬は気楽に過ごすことにしたんだね

     そう言ったら こう返ってきたものさ

     〈それでもギリギリッス〉

                             

さらにあんまり忙しいわりには

家計は火の車だと 苦虫をかみ

〈きょうも戦死〉と嘆いているので

まるで不死鳥の火の鳥のようだね

そうねぎらったら、こう言ってきた

〈火の鳥というよりヒドリ〉

そうか そういうことだろうね

日取りの日銭稼ぎは いいときもよくないときも

                              

     なので こういうことを伝えた

     キリギリスは遊びまわったことで

     いつかヴァイオリンの名手となり

     冬の楽しい演奏会にアリを招き

     お礼に冬を越せる食糧をもらい

     一緒に仲良く愉快に暮らした

     あのイソップ物語には

     そんな現代版のあらすじもあると

                              

 詩 ギリギリッスは「砂時計」も同人となっている岩手県を中心にした詩人たちでつくる詩誌『堅香子』(事務局・岩手県滝沢村 春と冬の年2回刊)の次号・第8号に、つい最近、投稿したものだ。

 ブログ「砂時計」へのコメントで、なんともおかしかった、というか、傑作だったのが「そんなに働いて、アリさんになるのですか」という問いかけに、「ギリギリッス」と答えた友人がいる(知っている人は知っている人だが~)。

 その真面目なユーモア(ブラックユーモアっぽい雰囲気もあるが~)をなんとか詩に生かせないか?。そう考えていたところ、山之口貘の詩をきちんと読む機会があった。その山之口の方法というか、語り口をそのまま生かした詩の特徴をキイワードで結びつけていけば、できるかも

 それに不死鳥の「火の鳥」と、ヒドリ論争がずっと続いている宮沢賢治の「雨ニモマケズ」にある「ヒドリノトキハナミダヲナガシ」の「ヒドリ」の労働につなげていけば、さらに面白いものになっていくのではないかと。

 詩がほぼ出来上がった6日午後、友人(日光「ふぃふぁ山荘」だが~)が「砂時計」宅に寄ったので、この詩「ギリギリッス」の朗読を聞いてもらった(無理強いだが~笑い)。聞き終えた友人は「これって詩なの?」とけげんそう。そう言うのも無理はないが、でも、これでも詩だと思っています。はい。

 

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歌・唄・詩」カテゴリの記事

コメント

なるほど!文章になると、これはちゃんとした詩ですね!

え~、コホン~。わかっていただけましたか。
(朗読を無理に聞いていただき、感謝します)

どこをどっからどう見てもポエムだろ、、、笑い

ポエムだが、実はリアルなドキュメンタリーでは
ないか?。一部にそういう声もあります~(苦笑い)。

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