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2010年12月 8日 (水)

「戦艦大和ノ最期」  黒川純・詩「その声は伝わっているか」

Dscf5198 (講談社文芸文庫の吉田満『戦艦大和ノ最期』・1997年4月第四版)

詩 その声は伝わっているか

                   黒川純

                                                    

(進歩ノナイ者は決シテ勝タナイ

負ケテ目ザメルコトガ最上の道ダ)

                                                    

殴り合いの乱闘の末だった

必敗の海路の激論を制し

低く囁くその声に反論はもうない

      散る命の意味を問うなら

      ここで徹底的に敗れる

      それが最もいい方法だ

                                                    

(敗レテ目覚メル

ソレ以外ニドウシテ日本ガ救ワレルカ)

                                                    

本当の進歩ってやつを忘れ

必要な改革を怠っているから

今こそ目覚めさせるのだ

      育ててくれた故郷のため

      俺たちがその先導役になる

      それ以上 何を望むのか

                                                    

(日本ノ新生ニサキガケテ散ル

マサニ本望ジャナイカ)

                                                    

若い命を南海に沈めたのは

次の世のため 死ぬことで生きると

その考えに辿りつき 殉じたからだ

      その死はムダではなかったか

      思いは65年後も視えているか

      海の底の声は伝わっているか

注 ( )内は「戦艦大和ノ最期」の哨戒長・白淵大尉の言葉

(黒川純詩集『怒りの苦さまた青さ 「反戦詩」とその世界』(2004年9月)の「私たちの意志は届いたか」改稿)

 12月8日は太平洋戦争開戦日(1941年)。朝日新聞が夕刊で連載中の「65年目の『遺言』」②(12月7日3版)は「大和と原爆 2度見た地獄」と題して、元海軍少年兵、八杉康夫さん(83)の「遺言」を伝えている。

 3000人以上が海に沈んだという戦艦大和。護衛機がつかない「特攻」の船内はどんなようだったか。生き残った海軍少尉 故・吉田満さんが名著『戦艦大和ノ最期』を残している。

 「太平洋戦争最高の戦記文学」。という作家の故・山田風太郎の評があるという。「という」というのは、最近、といっても、2007年8月刊だが、岩波新書『戦艦大和 生還者たちの証言から』(栗原俊雄)からの引用のため。

 無理に引用しなくともいいのだが、「大和」に関してはさまざまな書籍が出されているからだ。その中でも第一級ということを言いたかった。私にしても、吉田満の「戦艦大和ノ最期」には、感動を覚えた。というか、正座して読まねばならないような緊張感を覚えものだった。

 とくに「負けることがわかっている特攻に何のために向かうのか」をめぐる士官たちの議論には、さまざまな感慨がよぎった。論争が乱闘になるが、その際、白淵大尉が低くささやくように話すくだりは必読の価値ありだ。

 それに触発され、白淵大尉の言葉を加えて、詩にしたのが、「その声は伝わっているか」。もともとは岩手県北上市を中心にした詩誌「ベン・ベ・ロコ」145号(2003年8月)に「私たちの意志は届いたか」として、発表したものだ。きょうは朝日新聞の記事を受け、初稿を改稿し、アップすることにした。

      

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