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2011年1月 7日 (金)

ぽーんと背中を押してもらったような 詩「一人は賑やか」-茨木のり子詩集から(10)ー

Dscf5664 (グラビア 詩人・茨木のり子「倚りかからず」の生涯 「週刊ポスト2010年12月17日号」から転載)

 「家族」ではなく、「孤族」。朝日新聞が年末から連載してきた企画が、進むところまできた日本の今のある社会状況を示している。そのように感じた。久しぶりに読み応えがある連載記事で、さまざまなことをかんがえさせられた。

 「孤族」から「孤独」「孤独死」「孤独な環境」・・・。なんという冷ややかな、寂しそうな響きであることか。それに対し、「独り」ではなく、「ひとり」。その大和言葉?の、柔らかな、そして温かなイメージであることか

 この「ひとり」については、岩手日報の新春版にそれをめぐる哲学者・山折哲雄と歌人・道浦母都子の対談がある。ということを、私の先輩格である花巻市議がブログ「マコトノクサ通信」で紹介している(それへのコメントで詩「一人は賑やか」という詩があることを伝えたら、さっそく、「マコトノクサ通信」がアップしていた~。先を越されてしまったのです~)

 その「ひとり」、いや「一人」であることの深さとか、豊かさとかのプラスの側面をうたった詩に、茨木のり子の「一人は賑やか」がある。もちろん、だれにも頼らないで生きる自立は、その通りなら孤立だと指摘する構造主義哲学者?内田樹の「一人で生きられないのも芸のうち」というのもある。

 そして、内田樹の指摘は、その通りだとうなずけるのだが、茨木のり子の「一人は賑やか」は、また別のものだ。「一人でいるとき淋しいやつが、二人寄ったら なお淋しい。おおぜい寄ったなら・・・」(この後は核心なので、後記の詩で)。いわば思想に近い「一人」なのだ。それを「賑やか」というキイワードで記す。味わい深い詩だと思う(結びの「恋人よ・・・」も、さすが、茨木のり子だなぁ~)。

 ところで、「週刊ポスト」が昨年12月17号で茨木のり子をグラビアで記事にしていた。たまたま、きょう、日光の友人「日光をただ酔う漂ふ」さんが霧降高原の砂時計宅を訪れ、貸してくれたので、わかったのだが、彼女の評伝『清冽』(後藤正治)が昨年11月に出版されていた。その後藤さんのコメントを中心に編まれた記事だった。

 そこで後藤さんはこんなコメントをしている。「茨木さんの詩を読んでいると、ぽーんと背中を押してもらったような気持になる。(略)。こうした凛とした思想は詩だけでなく、彼女の一貫した生き方でもあったと思います」。(これはますます評伝『清冽』を読まないといけない~。しかし、読むべき本が次々とあるので、「詩的生活者」としては、困ってもいるのが現状です~苦笑い)

詩 一人は賑やか

          茨木のり子

一人でいるのは 賑やかだ

賑やかな賑やかな森だよ

夢がぱちぱち はぜてくる

よからぬ思いも 湧いてくる

エーデルワイスも 毒の茸も

                                                    

一人でいるのは 賑やかだ

賑やかな賑やかな海だよ

水平線もかたむいて

荒れに荒れっちまう夜もある

なぎの日生まれる馬鹿貝もある

                                                    

一人でいるのは賑やかだ

誓って負け惜しみなんかじゃない

                                                    

一人でいるとき淋しいやつが

二人寄ったら なお淋しい

おおぜい寄ったなら

だ だ だ だ だっと 堕落だな

                                                    

恋人よ

まだどこにいるのかもわからない 君

一人でいるとき 一番賑やかなヤツで

あってくれ

 

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歌・唄・詩」カテゴリの記事

コメント

昨日は素敵なお土産をありがとうです。
これを機に、もう一度、おいしいオムレツの焼き方を勉強してみようかと考えています。(美味しいオムレツを作るのは本当に難しい)
オムレツ専用のフライパン作りから始めなければなりません。

>日光の友人「日光をただ酔う漂ふ」さんが霧降高原の砂時計宅を訪れ、貸してくれたので
差し上げたつもりですので、秘蔵版ということで・・・(笑)。

漂ふさま
えっ、「差し上げた」のですか。秘蔵版ということで、本棚の一番、
目立つところに収めます。ありがとうございました。
なお、オムレツについては、私もなんとか挑戦しようと思っている
ところです。生タマゴ、目玉焼き、タマゴ焼き、ゆで卵、半熟タマゴ
まではOKですが、オムレツは、未だに課題になっています。
追伸 自力でのベランダづくりが完成しましたら、ご披露ください。

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