被災者実質無料で共同歩調、日光の5軒の民宿が「ホステルの会」結成 M9.0東日本大震災(16)
(大震災で避難している人たちを実質的に無料で受け入れることを決めた 「日光ホステルの会」の経営者のみなさん=26日、日光の民宿「鳴沢ロッヂ」で)
(「日光ホステルの会」が27日に各避難所に手渡す呼びかけ文)
大震災で故郷からやむなく避難してきた被災者に何ができるか。宿泊施設として何か役に立てることはないか、と考えていた日光の5軒の民宿が26日、避難所で暮らしている被災者を実質的に無料で受け入れることを決めた。
ふだんから交流しあっている個人経営の民宿やゲストハウス同士で、「困っているときはお互いさま」という考えで一致。新たに「日光ホステルの会」を結成し、27日に日光や鹿沼の各避難所を訪ね、呼びかけることにしている。
きっかけは日光市が被災者を宿泊させた場合、大人1000円、子供500円(小学生未満)の助成を決めたこと。助成費を電気代、灯油代、水道代と考え、被災者には実質的に無料で提供することを決断した。
26日の経営者同士の話し合いでは「避難所の集団生活ではなく、家族でプライベートなときが欲しいときの宿に」「観光で商売してきたのだから、ここで恩返しを」「震災や原発が落ち着いて地元に帰るときがくるが、いい思い出を残し、いつか日光に来てもらように」などの声が交わされた。
通常の営業の泊まり客もいるため、各民宿で受け入れられる人数は9人から17人。最大5つの民宿で計約60人。基本的に家族単位で受け入れたい考え。食事はいずれも各民宿での自炊になる。できることは自分でやってもらい、共に助け合うといったホームスティのような泊まり方だ。
受け入れ期間は原則一家族、1週間ほど(期間延長については各民宿と被災者の相談でということも)。日光市の助成対象期間が4月30日までのため、当面、その間の対応になる見込み。
観光庁が公式発表したホテル・旅館などを行政が借り上げて、「一時避難所」とするという性格ではない。だが、実質的には、被災者が避難生活を送る場所になる。そのため、「日光ホステルの会」では、各民宿をサポートするボランティアも募っている(すでに何人かが助っ人に名乗りを挙げている)。
避難所で暮らす被災者の実質無料宿泊を決めた日光の5つの民宿・ゲストハウスは次の通り。
日光の民宿・鳴沢ロッヂ 連絡先080・6636・0288
日光ゲストハウス・巣み家 同090・1838・7873
日光ゲストハウス・にっこり荘同080・6648・9736
日光民宿・りんどうの家 同0288・53・0131
小さなホテル・森のうた 同0288・53・0465
「日光ホステルの会」が正式発足したのは26日。その前日の25日に、基本的な方向を確認した際に、鳴沢ロッヂの経営者「三代目」がブログで、自身の考えを伝えているので、これもアップしておきます。
2011-03-25 20:50:33 行政との連携。テーマ:震災関連
鳴沢ロッヂ、ゲストハウス棲み家、ゲストハウスにっこり壮は今回の震災で被害にあわれた方々を被災者の方々のご負担無し、実質無料で受け入れる方向で一致いたしました。
行政からの支援も決定して受け入れる体制が整いつつあると判断して本日決定いたしました。
それぞれの施設の身の丈にあった支援をともに連携しながらする予定です。
詳しくは明日(26日)11時より当館にて再度協議の上決定いたします。
この支援活動に賛同する施設がいくつか増える可能性もあります。
姿勢としてはお客様として受け入れるのではなく、お互い様の精神でともに今回の大災害を生き抜くためのお手伝いをさせていただくという事です。
出来ることはご自分でやっていただきともに働き、ともに助け合うという精神で行きたいと思います。
鳴沢ロッジは三部屋を使用して三家族で13人程度の受け入れを準備する予定です。
無理をすれば15人は可能かもしれませんが初めの段階は10から13人というのが身の丈なのかもしれません。
食事に関しては原則自炊でまかなっていただきます。
食材なども出来るかぎりご自身で確保して頂きます。
ご家族がしばらく落ち着いて今後の再建にむけて準備するための期間を当館にて過ごして頂けたらと思います。
たくさんの方が今後避難されて来ると予想されますので受け入れ期間は一家族につき原則一週間です。
もちろん期間につきましてはご相談にも応じる予定です。
ほとんど家族同様のお付き合いになると思いますのでお互いにともに運営するという事が出来れば理想です。
鳴沢ロッジには通常のお客様も同時に宿泊されるという期間もありますのでうまく調整して出来るだけそれぞれに快適に過ごして頂けるように努力したいと思います。
お手伝い頂ける方がいらっしゃいましたらコメント欄にてご連絡をお願い申し上げます。
よろしくお願いいたします。
鳴沢ロッヂ 三代目
« 旅館・ホテルなど被災者無料受け入れ、観光庁が正式発表 M9.・0東日本大震災(15) | トップページ | 石巻は一つの巨大なエネルギーのようだ M9.0東日本大震災(17) »
「防災」カテゴリの記事
- 大いに役立った防災講習会 「ホットくじら隊」がキイワード(2015.10.05)
- 人の命を助けるのは命がけ 霧降自治会「救命入門コース」講習会(2015.05.25)
- 「どど~ん」」と日光で震度5弱ー 我が家では本棚から本が2冊落下(2014.09.03)
- 「福島原発難民」 南相馬市・一詩人の警告(1971年~2011年)(2011.05.12)
- 石巻の泥退治を続ける「チーム日光」 M9・0東日本大震災(31)(2011.04.30)
コメント
« 旅館・ホテルなど被災者無料受け入れ、観光庁が正式発表 M9.・0東日本大震災(15) | トップページ | 石巻は一つの巨大なエネルギーのようだ M9.0東日本大震災(17) »
無料というところ全てに
<実質的に>という文字を加えてください。
かれが行政対応の難しいところでして、、、汗
投稿: 三代目でございます。 | 2011年3月28日 (月) 14時18分
三代目さま
了解しました。ゼロでやるという革命的宿泊業の難しさですね。
投稿: 砂時計 | 2011年3月28日 (月) 15時15分