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2011年5月 3日 (火)

瞳に映った<同胞よ、 同胞たちよー> 大震災詩(2)・黒川純

Dscn1219 (本堂がぺちゃんこになった金剛寺=4月1日、岩手県陸前高田市、砂時計写す)

詩 同胞よ、同胞たちよー

 大海原を前にした瓦礫の街に立てば/見渡す限りの平原なのに/私は支えのない球体によろめく悲しいピエロのようだ/どくどくと流れる毛細血管/春まだ浅い東北が/焦点距離を混乱させ/声にならない胸騒ぎを呼びよせた/すると/親たちが語っていたその言葉/それが濡れた瞳に映った/<同胞よ、同胞たちよー>                                                          

詩 超日常が伝えるもの

そこは木材たちの死体置き場だ/防潮林だったという無残なマツたちが/見渡す限りの水田に横たわる/海水が浸み渡った乾いた土にはボラたちが/納屋にスコップを入れれば/泥から硬直したフッコやカニたち/あの日/海の生き物たちは境界を超え/獣のような大地へ/その超日常は何を伝えようというのか                                                               

詩 冷え冷えとした既視感

既視感が未明に冷え冷えと/醒めた脳髄に押し寄せてくる/一人の女性が何度も生まれ変わって築いた優しい星/永遠の命がその星を見守っていた/みんなの母・女王が故郷・地球に向かったとき/邪悪な細菌に侵された星は大地震と共に滅びていく/手塚治虫「火の鳥・望郷編」/そのSFを超えねばならぬ

詩 落ちないための第六感

被災地へ 被災地へ/できることはわずかだと知りながら/手を差し伸べなければと/私が私に命じるのだ/いや/私ではなく 私のDNAが壊れないために/足を向けさせるのだ/たくさんのあなたを哀しませることは/きみが打ちのめされることは/私も深い谷に共に落ちていく/そんな第六感があるからだ

詩 一分でも遅れていたら

大勢が避難してきた駐車場から/車を捨て離れようとしていなければ/その判断が1分でも遅れていたら/それでも津波は胸の高さまで/どうやって自宅に辿りつき 2階に逃げ込めたのか/あのとき地獄を見た石巻の専門学校生/「父母は無事だったがー」/「だったがー?」/「大川小に通う甥っ子が・・・」                                                              

詩 もっこりもっこりと

津波はもっこりもっこり/まるでスローモーションのよう/高さは20メートルにも思えた/津波がここまで来るとは思っても/納屋の軒下に津波線が残る相馬の農家/ショベルカーで繰り返し泥をかきだし終え/気丈にそのときを語った/24haのうち8haだけは残ったが/潮に浸かった16haは・・・

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