やはり魅せられる詩集「金子みすゞ」 森の図書館に詩人・磯山オサム君が寄贈
(磯山オサム君が「森の図書館」に寄贈してくれた童謡詩集『金子みすゞ』(小学館)
(私の好きな詩 童謡詩人、金子みすゞの「木」(『金子みすゞ』小学館)から)
「永遠の詩 シリーズ01」の『金子みすゞ』(小学館)を私の友人で、茨城の詩人、磯山オサム君が日光霧降高原「森の図書館」に寄贈してくれた。本日、奥方と一緒に砂時計家に立ち寄って。
「だれかに読ませたいあなたの大切な一冊の寄贈を」。森の図書館では、そう呼びかけている。それに応えてくれた。それも「3・11」後の今、改めて読まれるべき詩集を。さすがいい本を選んでくれるな、そう思ったことだった。
「幻の童謡詩人」と呼ばれた金子みすゞは、いまではもうすっかり国民詩人になった。「おさかな」「大漁」「木」「私と小鳥と鈴と」「蜂と神様」「明るい方へ」など、いずれも心に沁みこむ詩だ。それぞれに「私のみすゞさん」があることだろう。
その中でも今回は「さよなら」を。この本の表紙にもとりあげられているが、確かにいい詩だ。私も読んでいるつもりだったが、これまで読み飛ばしていたかもしれない。彼女を「再発見」した矢崎節夫さんの解説によると、声に出して読むと、見事に絵になって見えるという。「きょうの私にさよならをいう。一度きりの今日の私に」
ブログ「砂時計主義」を訪ねてきたあなた、あなたも声に出して読んでみてください。私もこのブログを書きながら、声に出して読んでみました。今、夏の夕闇が近づいてきたところなので、さらにその光景が浮かんできました。
さよなら
金子みすゞ
降りる子は海に
乗る子は山に。
船はさんばしに、
さんばしは船に。
鐘の音は鐘に、
けむりは町に
町は昼間に、
夕日は空に。
私もしましょ、
さよならしましょ。
きょうの私に
さよならしましょ。
« 全共闘世代同人誌『序説 18号』校了、30日発行 「東日本大震災・フクシマ原発特集」で | トップページ | 背筋が伸び元気が出る若き思想家・佐々木中 驚きの『切りとれ あの祈る手を』 »
「森の図書館」カテゴリの記事
- 読書欄がある日曜日は書評に惹かれ 「生き延びるためのいいひと戦略」などー(2013.03.31)
- やはり魅せられる詩集「金子みすゞ」 森の図書館に詩人・磯山オサム君が寄贈(2011.07.10)
- 良書「さよなら エルマおばあさん」 災害支援で縁、著者・大塚敦子さんが「森の図書館」に寄贈(2011.06.28)
- いよいよ春 ゆったり森の空間へ 霧降高原「森の図書館」今季開館(2011.04.29)
« 全共闘世代同人誌『序説 18号』校了、30日発行 「東日本大震災・フクシマ原発特集」で | トップページ | 背筋が伸び元気が出る若き思想家・佐々木中 驚きの『切りとれ あの祈る手を』 »
コメント