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2011年8月23日 (火)

「悪霊退散 悪霊退散」  『序説18号』大震災詩その1(13篇)

Dscn3323_2 (「東日本大震災詩篇」。黒川純の35篇が掲載されている『序説18号』)

悪霊退散~悪霊退散~

悪霊退散
悪霊退散
鬼剣舞が桜の花に舞う
激震した大地を蹴り
無念の剣をひらめかせる
古代がめくれあがった大地に
悲痛の記憶を受け継いだ東北の鬼たち
その祈りの力強さよ
今こそ重々しく軽々と
砂塵を従え縦横に舞え
怒る大地と海原を鎮めるため
本堂が瓦礫に横たわり
風景が涙に揺れる
陸前高田・金剛寺で
悪霊退散
悪霊退散

花吹雪の夢
                                       
わたしもその夢を見よう
あの日から
離れ離れになった
別れた命
愛おしい命
あきらめきれない命
哀しみ
悔しみ
恨みと怒り
無念さ
やるせなさ
どこへ持ってゆけばいいのか
声にならない悲しみのありか
桜散る春に
花吹雪の春に
春の夜の夢ではないのか
何度も
何度も
振り返るあなたの
その夢を

そのけなげな表情を

私は忘れないだろう
哀しみでもない
悲しむでもない
肩を落とすでもない
不満というのでもない
訴ったえるでもない
責任を問うでもない
怒るでもない
頼るわけでもない
でも
私の視点をぐらぐらと揺らし
ざわめきを呼び出し
先が視えない暮らしを
頬を伝わる涙で伝える
そのけなげな表情を

                                                                                       
凍土から言葉を掘り出せ

ほんとうのことを語ると
世界が凍ってしまう
ある詩人がうたったことがある
だが
ほんとうのことが噴出し
世界はそのまま凍ってしまったのだ
いや
言葉が凍ってしまったのだ
この世界のほんとうを
身体に刻んでしまった
わたしやあなたは
言葉を掘り出さねばならない
その凍土から                                                                                                                                         

もともとの根源へ

私は敬遠していた
嘘っぽくて
とても身に着くものじゃない
偽善ではないかとも
羞恥心さえ覚えていた
反論できない
倫理というものだから
愛 優しさ
勇気 思いやり
つまりは誠実さってやつに
だが
今はそれが否応にも必要とされる
そのもともとの根源へ
次元を超えた大震災で
私自身も救われるために                                                                                            

沈黙だけが許される

舗装が激しくめくられ
意味を失ったプラットホーム
土に埋もれた乾いた鉄路
その先にどこまでも
瓦礫、瓦礫、瓦礫
かつてそこにあったのか
傾いたコンクリートが駅舎だという
それでようやく知ることができた
姿を失った市街地はかなり先にある
沈黙だけが許されるだろう
陸前高田竹駒駅

                                         

差し出して寄り添う

カッパ姿の背中をさしだす
風呂から、台所から
庭先から、居間から
泥をかきだす泥バスターズ
それでも大潮で再び水浸しに
そこに住むことが
暮らすことが
再びかなうのか
でも
私たちは手を差し出し
寄り添うのだ
あなたが再び立ち上がれるよう
わたしも歩んでいけるよう

                                        
海であり土であり空であり

私たちを想い出せ
忘れてくれるな
いつも
あなたのそばに立っていたのに
知らぬふりをされていた
もうわかっただろうか
しかし
これほどの嘆きを
これほどの哀しみを
今は悔いるしかない
百万匹の弔いをした
青空をふいにふさがれた
これまで呼ばれていた
海であり土であり空であり

同胞よ、同胞たちよー

大海原を前にした瓦礫の街に立てば
見渡す限りの平原なのに
私は支えのない球体によろめく
悲しいピエロのようだ
どくどくと流れる毛細血管
春まだ浅い東北が
焦点距離を混乱させ
声にならない胸騒ぎを呼びよせた
すると
親たちが語っていたその言葉
それが濡れた瞳に映った
<同胞よ、同胞たちよー>                                                          

超日常

木材たちの死体置き場だ
防潮林だったという無残なマツたちが
見渡す限りの水田に横たわる
海水が押し寄せた
乾いた土にはボラたちが
納屋にスコップを入れれば
硬直したフッコやカニたち
あの日
海の生き物たちは境界を超え
獣のような大地へ
何を伝えようというのか
その超日常は                                                               

冷え冷えとした既視感

既視感が未明に冷え冷えと
醒めた脳髄に押し寄せてくる
一人の女性が
何度も生まれ変わって
築いた優しい星
永遠の命がその星を見守っていた
みんなの母・女王が
故郷・地球に向かったとき
邪悪な細菌に侵された星は
大地震と共に滅びていく
手塚治虫「火の鳥・望郷編」
そのSFを超えねばならぬ

落ちないための第六感

被災地へ 被災地へ
できることはわずかだと知りながら
手を差し伸べなければと
私が私に命じるのだ
いや
私ではなく
私のDNAが壊れないために
足を向けさせるのだ
たくさんのあなたを哀しませることは
きみが打ちのめされることは
私も深い谷に共に落ちていく
そんな第六感に導かれて

一分でも遅れていたら

大勢が避難してきた駐車場から
車を捨て離れようとしていなければ
その判断が1分でも遅れていたら
それでも津波は胸の高さまで
どうやって自宅に辿りつき
二階に逃げ込めたのか
あのとき地獄を見てしまった
石巻の専門学校生
「父母は無事だったがー」
「だったがー?」
「大川小に通う甥っ子が・・・」

(「大震災詩35編」は、「その2」、「その3」と、3回に分けて順次掲載する予定です)

 『序説18号』の一斉売り出しは8月いっぱいのみ。あと8日間の限定発売です。定価は1000円+税(一冊計1050円)。事務局が売り上げた場合、1冊に付き、300円を災害支援「チーム日光」に寄付します(大半の発売先がやはり、そのようにするそうです)。期間が迫ってきたので、改めて発売先一覧を下記に。ぜひお買い求めを。という宣伝もさせていただきます。郵送を希望する方は、「序説」事務局の黒川純に問い合わせを。連絡先は以下の通り。〒321・1421 栃木県日光市所野1541の2546 電話0288・25・3348。Eメールqk3y-tmok@asahi-net.or.jp   ツイッターsunadokeiha

◎書店「TSUTAYA 今市店」

◎トンボ玉づくり体験工房「エカト」(今市、「日光珈琲」そば)

◎コーヒー店「日光珈琲」(今市、二宮神社近く)

◎「幾何楽堂」(「チーム日光」代表のログハウス、霧降高原)

◎観光施設、霧降高原「チロリン村」(霧降高原)

◎ホステル「鳴沢ロッヂ」(霧降高原)

◎古本屋「砂時計主義」(「序説」事務局、霧降高原)

◎小さなホテル「森の詩(うた)」(日光明峰高校そば)

◎ゲストハウス「巣み家」(東武日光駅、JR日光駅そば)

◎ゲストハウス「にっこり荘」(世界遺産「神橋」近く)

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