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2011年11月 8日 (火)

視えない種から明日が予感できるように  詩 「東日本」のために・黒川純

Dscn5543( 区画整理されたように縦横に走るアスファルト道路だけが「3・11以前」、ここにたくさんの人たちが暮らした気仙町があったことを示している=11月6日、陸前高田市)

詩 「東日本」のために

     
                    黒川 純

風の中でだれかのだれかを呼んでいる
今夜の月夜を愛でるひとりひとりとして
パンドラの箱を開けてからわずか六十年
勘違いした短い歴史の方程式が導き出した
だれにも本当の数字がわからない確率で
それこそ暴力装置そのものである因子で
世界にばらまかれてしまった死の灰が

やがて
だれかの身体をミクロから蝕み
届かない海の底からの嘆きを
私たちは私とともに抱え込んでしまった
戻れないその哀しみは私自身でもある
いや
あなたの心をこなごなにするかもしれない

その因子は
銀河鉄道ができるかもしれないずっと先まで
そう 二万四千年先でも
桃源郷そのものの紅葉も踏みにじるだろう
だから
だれもが脅えるDNAに冷や汗を覚えながらも 
長い海岸線に落とされた涙という涙を集めて
ほんとうの倫理が地上の星に育つよう
根源的なもともとの優しさが思い出せるよう
錬金術をもう一度よみがえらせてみたい

善悪を超えて汚された空から降りている
不可視の種がわたしたちのすぐそばに
それもほんのかすかな種にちがいない
わたしたちそれぞれが共鳴しあうように
視えない種から明日が予感できるように
その香りを世界にばらまくてはならぬ
だれかのだれかのわたしたちのために
死者も生者もひとりびとり今も海や空に漂う
「東日本」のために

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