死者の視点から今の自分をー 『原発と祈り』(内田×名越×橋口)から
(第8章が読ませる『価値観再生道場 原発と祈り』 (株)メディアファクトリー)
一気に読んだ『原発と祈り』。かなり読み飛ばすような読み方をしてしまった。それでも、そのうち最後の8章「今をいきるための心構え」は、それなりに読ませた。その周辺からお気に入り、というか、<なるほど~>と思ったフレーズが以下。
ツイッターでつぶやいたばかりだが、ブログを視てくれる人もいるので、ツィートをコピーし、さっそくアップへ。わたしの好きなフロイト学者、岸田秀さんの『ものぐさ精神分析』にも異口同音のような文章があったと思う。
ただし、フクシマ原発で、内田樹さんが話している「死者の視点」というのが、さらにリアルになってきた、そう思うことができる。たぶん、言葉、とくに詩は東日本大震災の膨大な「死者」の「ひとりびとり」を背景にうたうこと、うたわざるをえないこと、その理由の一端がこの本にある、そう感じたのだった。
(以下はツイッターでもつぶやいた同書での語り)
「生き残った人間が死んだ人間に対して、鎮魂の儀礼をするっていうのが人間の営みのほとんど、8割ぐらいを占めているんじゃないかな。」
「いつでも楽しいことがあるたびに『これが最後かもしれない』って思う習慣を持つのはたいせつだと思いますよ。そう思うと、過ごしている時間がすごく濃密になるからね。」
「死者の視点から今の自分を見るっていうのが、物事の価値、意味を深く理解するうえでは一番いい。」
「場に引かれていくうちに個性や人格が作られる。そういう場の優位性みたいなものがあるんじゃないかな。
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