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2012年3月18日 (日)

ときに一つの共同体、一つの国を危険に 「夢よりも深い覚醒ー3・11後の哲学ー」

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 『夢よりも深い覚醒へー3・11後の哲学』(大澤真幸)は「ノアの大洪水」などでの語りは説得力があるが、「未来の他者はどこにいる?」などの展開にやや難点がある。「革命家キリスト」にしても、キリスト教の世界、というか聖書の世界に親しんでいない人にはそう簡単に理解というか、得心するのが難しい(わたしなど~)。というか、各章の一部には展開の仕方にかなり無理をしているところもある、そう感じる場面もあった。

 それでも、新書ながら、各章の随所に例えから根源的な指摘や教訓、方向や結論を導き出す手順は、さすがに現代の最前線で発言している社会学者だ。次の展開を知りたくてページをめくるのにわくわく。そんな気分のまま一気に読み終えた。久しぶりに知的な興奮を覚えた一冊だった。おかげで17日は(午前中から「国の除染費用負担を求める要望」の街頭署名活動を予定していたのにー)寝不足だった。

 この新書にはさまざまに示唆に富む文章がある。そのうちいくつかはTWITTERでつぶやいた。その一部をブログにも載せてみよう。丁寧に書きたいのだが、読みかけで魅力的な原発本、『反原発の思想史』(絓秀実)や『プロメテウスの罠』(朝日新聞特別報道部)を読み通す時間が足らないので。とりあえずTWITTERからの転載でお茶をにごすことに(苦笑い~)。

 それにしても、以下の3点の文章だけでも、優れた指摘や見方、あるいは比喩の巧みさなことがわかる。「『おまけ』のグリコのキャラメル」などは思わず、にやりとしてしまった。こうした指摘は基本的なことだが、この基本的なことが意外とわたしたちは知として共有していないのではないか?。(以下はわたしのTWITTERからの転載)

核と原子力は英語ではどちらも同じ語句

 『日本人は「核」という語と「原子力」を使。い分け、前者を軍事利用に、後者を民事(平和)利用に割り当てているが、英語で言えば、どちらも「nuclear」である。「一切の核に反対である。ただし原子力は別だ」という文は、「すべてのnuclearに反対だが、nuclearは例外だ」というナンセンスな文になる』

「おまけ」のグリコのキャラメルが欲しくて 

 『原発を立地した自治体にとっては、おそらく、原発そのものよりも、その副産物が、魅力的なものである。原発を誘致する自治体は、「おまけ」の方が欲しくて、グリコのキャラメルを買う子どものようなものだ。「おまけ」とは、たとえば、原発を立地したことによって、政府から自治体に与えられる交付金である。固定資産税・・・、雇用創出等の、原発をもったことによる経済効果も、原発の「おまけ」である』

 

 最悪の場合、人間の全体を危険に陥れるのが原発

 『飛行機や自動車だって、ときに人の命を奪うような危険性があるのに、圧倒的な利便性のゆえに、われわれはそれを選んでいるではないか、原発だってこれと同じことだ、と主張する人がいる。しかし、この主張は間違っている。どこに問題があるのか。確かに飛行機や自動車の事故も多くの人の命を奪う。原発がこれと違うのは、その事故が、ときに一つの共同体、一つの国民、さらに最悪の場合には類としての人間の全体を危険に陥れる、ということである。飛行機や自動車は基本的には「安全」である。・・・しかし、原発の問題は、通常の稼動時でも、誰かが、きわめて危険な作業ーほんのわずかな間違いで放射線被曝の可能性がある危険な作業ーに従事しなくてはならない』

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