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2012年6月12日 (火)

「3・11」から1年3ケ月のこの日に 鎮魂詩「三陸の海の底で」黒川純

;「3・11」から1年と3カ月になった。その鎮魂詩も掲載した「別冊 おなご 30号」が届いたので、それを掲載することに。わたしとしては初めて意識して書いた鎮魂詩だ。詩そのものは、今春に送っている。が、編集作業が遅れたことで、冊子発行はこの6月になってしまったという。

「別冊 おなご」は、岩手県北上市の詩人、小原麗子さんが主宰する「麗ら舎読書会」が毎年発行している冊子。岩手県を中心とした詩人たちが寄稿している。わたしもその仲間の一人だ。読書会は「千三忌」を催しており、麗子さんは太平洋戦争で犠牲になった千三さんの「墓守」を自任している。

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鎮魂詩 三陸の海の底で     

                  黒川純

そのとき語っていたこと

語りたかったこと

語ろうとしたこと

語るべきだったこと

もう語るにも語れないでいる

悔みだけが人生だとしても

準備する時間がなさすぎた

わたしのあなた あなたのわたし

                                                    

どうしたらその声が届くのだろうか

大蛇のような大波に流されて巻きこまれ

引き込まれて落ちながら海原に押し出された

2011年3月11日のそのとき

ひとりびとりの犠牲者にあしたがあったのに

だれも視たことがない大波に引き裂かれ

手も足も

眼も耳も

口さえも縛られた

                                        

だから

幻聴のように響いてくるのか

歴史がやってきた一瞬の悔みを伝えて

だれかが そう問いかけるのだ

いや

だれかではない

海底の光と影の境界で漂っているあなたが

わたしやわたしたちに向かって

ざわざわと

そう ざわざわと

古代がめくれあがった冷たい海底から

もう取り戻せない悔みを取り返したい

ほんとうの死者になりきれない

                                       

夢の中であなたがそうささやいたから

理不尽な哀しみの海に降りてゆき

涙で視えない瞳をそっと閉じてやり

漂う身体にじっと光の焦点を当ててやろう

眩しい輝きが海底から海面を突き破り

たなびく雲にその姿が乱反射する                                        

もくもくと立ち上るその雲をスクリーンに

生きていればいつか願いがかなったときの

あなたが満面の微笑みで登場する

そんなことを夢想したい

                                        

そのとき

あなたは一瞬だけ

瞳いっぱいの涙を

ぽろぽろと溶かすかもしれない

あなたをさらった潮の流れで

今はただキラキラとあくまで蒼く輝く

三陸の海の底で

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