原発は経済性でも劣る電源ー 大仏次郎論壇賞「原発のコスト」が明かす
「脱原発に要する費用は、今後15年間でさしあたって年平均約2兆円程度と考えることができる」「事故コストを含まない場合でも、脱原発による便益は年平均約2兆6400億円となる。したがって、脱原発の便益はコストを上回る」。 今年度の大仏次郎論壇賞を受賞した大島堅一の「原発のコストーエネルギー転換への視点ー」(岩波新書)-。3日かけて読み終えたが、頭の中が整理できる名著だー。お薦めします(「霧降文庫」の貸し出し「原発震災」コレクションに3冊あります~笑い~)
「電事連によるモデル計算とは異なり、実績値では原子力が最も高い。国民的負担という点でみれば、経済性に劣る電源であったと言える」
「原子力発電は事故コストを含まなくとも、他電源に比べて高いのであるから、事故のことを考慮すれば、経済性がないことは明白である」。
私の脱原発は経済性というより、なにより現在と未来に対する根本的な倫理感から。原発を維持させることは「未来に対する犯罪」だ。そう断言できる。それもいったん事故が起きた場合の被害の甚大さは想像以上だ。それが今も進行しているのだ。
さらに政治性、社会性、歴史性、といった観点からも、そう言える。空間や時間を決定的に汚染してしまうその力、それに人類が触れてはならぬ「火」だと思っている。そう明言する。
しかし、一方で「ともあれ経済が大事だ」「企業の電力が足らなくなる」「産業が空洞化してしまう」との論を立てる人が市民にも行政にもそれなりにある。なので、あえて、コスト論にも踏み込むことに。というか、経済性についても確認するためにー。
今も16万人が避難を余儀なくされている福島の大事故がなくとも、原発は経済性においても劣る、そのことを実証した本だ。さらに今回の事故ー。もうなにおかいわんやー。ということでー。このブログを訪れている方に一読をお薦めしたい。
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