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2013年3月28日 (木)

生き延びるための「拡張型家族」 「評価と贈与の経済学」(岡田斗司夫×内田樹)

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わくわくしながら頁をめくっていたら、一晩で読了した。『評価と贈与の経済学』(岡田斗司夫×内田樹 徳間書店)。内田は繰り返し魅力的な贈与論を書いており、基本的な発想はわかっていた。だが、それが分野が違い、ひとつ下の世代である岡田さんと丁々発止ー。そのなかで、さらにリアルな「新しい共同体の拠点」のありかについて、そのイメージを示唆してゆくー。。
                                                   
「イワシ化社会」「拡張型家族」「情けはひとのためならず」「決断力なんていらない」「頼りになるのは『人柄の良さ』」・・・。これら魅力的な小題などをキイフレーズに、いやはや読ませること、読ませること~。
                                                
.半では岡田が内田先生を「攻め立てる」構図が基本かな。「内田先生はどう受け応えるか?」、読者にそういう興味も持たせてくれる。数ある内田本にはなかなかない対談だろう。結果は別の角度から意見を述べ合いながら、最後は「意気投合」していくのだが、そのくだりも面白いー。
                                                
ただ、内容は表題の「評価と贈与の経済学」より、むしろ「生き延びるための新たな贈与社会論へ」、そんなイメージがふさわしい。文章のどこから切りとってもいいのだが、例えば、「空想的社会主義」についてのこの時代の位置づけなどは、なかなか意味のある指摘だ。その部分だけ、この文章の最後に挙げてみよう。
                                                 
いずれにしろ、言わんとしているのは、内田さんも「あとがき」で触れているが、この社会が「新たな共同体を手探りしている」のは、「生き延びるための拠点を求めているからではないか」、そのことだ。
                                                  
東日本大震災と福島原発事故、このダブルパンチに見舞われたこの国で、価値観の変動が起きている。その変動は地下水脈ですでに用意されていたし、それに意味を与えようとしてきた動きがある。それらを感知しながら、その先へー。
                                                 
読者の置かれた立場によって読み方がさまざまになるかもしれない。ただ、基調にあり、繰り返しキイワードとして登場してくる「贈与」の原理がもたらす力、不思議さ、影響、活かし方などを経済からも流通からでも眺められる。250頁ほどの分量がちょうどいい好著だ。私としては珍しく、2回も読んでしまったのだったー。

内田樹「とにかく、年長世代からの『頑張ってね』っていうフレンドリーな贈与が社会的フェアネス(公平さ)を基礎づける、そういう時代に必ずなると思うんです。だって、どう考えても、それ以外にソリューション(解決策)がないから」
                                                 

岡田斗司夫「具体的に今の日本の状況で言うと、お金を持っているお年寄りが貧乏な若者を『雇う』ではなく、『養う』っていうことになるんでですかね?」

                                              

内田樹「そうです。だから、ロバート・オーウェンやサン=シモンのような空想的社会主義者の考えに近いんだと思う。空想的社会主義はそんなことをちまちまやっていても世の中はよくならないということで、マルクス=エンゲルスに徹底的に批判されたけれど、ぼくはマルクス主義150年の歴史を振り返ると、批判された空想的社会主義のほうがよかったんじゃないかと思う。そのほうがいまの世界より住みやすい世界が実現していたんじゃないかな。とりあえず手元の資源を、身近にいる人たちに贈与して、ローカルなフェアネスを実現していって、それをだんだん拡げてゆくという考え方なんだから」

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    コメント

    この書籍に関する、ここの内容紹介文が秀逸だったので、上記URL内にリンクを貼りました。
    もしも不都合と感じられるなら、削除いたします。
    よろしくお願いします。

    短夫さま

    どうぞ、御自由にお使いください。私の場合、BLOGに載せたところですべて自由公開です。私も読ませてもらいましたが、岡田さんのスキャンダルなどは知りませんでした。いずれにしろ、「贈与」は、かなりのキイワードだと思っています。

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