<痛い風景>をフライパンで炒める 詩誌「詩と思想」7月号に送ったが~
月刊詩誌「詩と思想」7月号(6月28日発売)に向け、きょうメールでつくったばかりの詩「<痛い風景>をフライパンで炒める」を送った。このところ、詩ごころが生まれなかったが、時間がないーということで、一晩で。
とはいえ、締め切りは「4月20日必着」。私が送ったのは4月24日。明日、郵便でも送るから4月26日着に。となると、4~6日の遅れ。「必着厳守」だと、まずはアウト。掲載がかなわないかもしれない。違反なので、それも仕方がありません的なことをメールに書いておいた。
私も同人誌の編集委員会事務局として、仲間の原稿が締め切りまでに届くようにー。締め切りが遅れた同人には「何日まで待つからぜひー」とか、いろいろとやきもきすることに。なので、編集委員会の大変さは少しはわかっているつもりだ。さぁ、なんとか対応していただけるか、それともー。だめもとで送ったのだった。
詩は7行・4連。そのうちの1、2、4連を。3連は「略」。これから月刊誌に掲載されるかも?ーなので、全文を先に紹介していいものかどうかー。少し迷ったので、略しながらも、全体のふんいきがわかるように。それにしても最近、詩が書けなくなってきているー。どういう<状況>だろうかー。自己分析?ができていない。
<痛い風景〉をフライパンで炒める
黒川 純
「私たちはこう訴えたいのです」
二荒山神社前でただじっと黙ったまま
家路途中の足元を揺らすスローガン
足早に過ぎてゆく赤いハイヒール
階段を転げ落ちる乳母車が見え隠れする
角度が異なる瞳が交差点の夜空に浮かぶ
風景が濡れた路上で痛がっている
「プライバシーでその数は言えない」
飛び散ったそれを無生物だと言い張った
その会社の出先の責任者が声高に
何かを知られる警戒感だけが先に立ち
矛盾を語り合う倫理はどこ吹く風だ
伸びる電線はどこまでも並行線のまま
風景の「原子力帝国」がまだ漂っている
(第3連 略)
風景が鬼ごっこのように遠ざかり
その背中を回転ドアで追いかける
万華鏡の風景 風景の胸騒ぎ
散らばったそれらが手術台に向かい
こわばった顔たちに麻酔剤を打たれようと
きょうも美味しいカレーをつくるため
私は痛い風景をフライパンで炒める
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