詩作品「掘り刻む回覧板へ」 締め切り駆け込みで詩誌「堅香子」第13号へ
いやはや、締め切りを5日延ばし12日締め切りにしてもらった詩。岩手県の詩人を中心にした詩誌「堅香子」第13号になんとか駆け込みで。メールで送ったばかり。13日になってしまったかも?。
それにしても最近は「詩心」が枯れてしまったのか、なかなか文章として立ち現れない。スランプというのかー。とはいえ、今回は新聞記事で「情報の彫刻」ということばが胸の中に。その言葉だけから、イメージを膨らませて書き上げた詩だ。
こうした方法?がうまくゆけば、もっと次々と生み出せるのがー。時間がなく、ほとんど推敲できなかった詩だが、今の心情のひとつ、あるいは心象風景としてはこんな感じなので、仕方がないー。ということで、「エィ!」と、編集者に投げてしまったのだー。
2013年5月12日
彫り刻む回覧板へ
黒川 純
刻もうとしている
何度でも繰り返し
この手の先の触れるところ
それを自在に彫り進めたい
甚五郎が今に現れるように
「いいものはいいね!」
「やっぱりカッコイイ」
FACEBOOKでもTWITTERでも
思わず拡散させてしまう
まったく影も形もなさそうで
透かせば形が浮き彫りになる
刻もうとしている
練り直し研ぎ澄まされ
そのものとして在る
その人からあの人へ
赤いバトンを握りしめ
「なんていい感じ!」でも
「不思議大好き!」でもいい
地域通貨を受け渡すように
イヤミのない気分の高まりを
いつの間にか交換している
オブジェの彫刻のように
刻もうとしている
ノミをひとつ振るう度に
この人にもあの人にも
虹の向こう側が見えるように
「なんて美しい」とか
「これってすごいね」でも
その彼方の不可視の美しさ
ラジカルな美容術を学び合おうと
互いの視線をまじまじと交差させ
それを彫り刻みたいのだ
遠い時からの回覧板を
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