今市しっくりこない「『貧乏』のすすめ」 「欲望」のとらえ方に違和感がー
「
「貧乏」の堂々たる展開に期待したのだが、著者「ひろさちや」さんの唱えは、どうも「今市」だった。さまざまな先人の「教え」を例にしての記述が続くのだが、もぅ一歩のジャンプが欲しいところだ。
それでも、何か所かは、「なるほど~」という知恵も。「論語」と「聖書」、「経済成長という病」と「正法眼蔵随聞記」、古典落語とソクラテス・・・と、東西の古典の知見は、それはそれで、「ほほう~」なのだ。
確かに、資本主義の限界を説き、原発継続の危険性を指摘し、グローバリズム批判も含めて、いちいち共感はするのだが、「もっと突っ込んでおくれよ~」といった場面が何度か。論旨はわかるが、切れ味がどうもーと、そんなた思いがするのは、なぜだろうか?。
彼の提起は「消費の抑制」=「欲望の抑制」=「資本主義社会を変える」という図式だが、どうも、しっくりこないのだ。 というのも、「たばこは不必要、酒は贅沢品、もっともよくないのは、パチンコです」と、ばっさり。
私もパチンコは、今は!やってはいないが(時間もないのもありー~)、やりたい人はやっても、それはそれで構わないと思う(大損しなければ、あるいは、パチンコしか趣味がないといった場合以外ならー)。酒もたばこもそれなりの、いや(笑い)、酒もたばこは、かなりの立場だ。
だから、彼の言う「消費の抑制」ではなく、実際は「消費の仕方」や「消費の方法」であり、「欲望の抑制」ではなく、「欲望の方向」や「欲望の角度」の問題なのだと思う。何かを「抑制」するという発想が(結果的にそう、見えたとしても)、どうも、私の発想と違うのだ。
「欲望」は「抑制」するとか、しないとか、そうしたレベルでは論じられない、そういう対象ではないのではないか。そこら辺りでこの本に対する違和感があるのかもしれないー~。
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