『「消費」をやめる』が読みたい 贈与論もすてがたいので、モースを
新聞の広告欄に載っていたのを思い出し、〈これは読まないと~〉ー。というのは、平川克美さんの『「消費」をやめる』。なんといっても、彼が以前に書いた『移行期的混乱』(なんと、「3・11」以前の論文?なのだ)は、読んでいて、次の展開をわくわくしながら、進めた思いがある。その彼の最新刊なのだから。
その『移行期的混乱』から、当然、平川さんの次の展開は「消費」などの周辺が、著書のキイワードになるのではないか、と感じてもいたので。それに「3・11」を経た今の社会では、新たな「消費」が今後は必要になるだろうー。私でも、そのようにも思ってもいたからだ。
本の題名が「消費」と、カッコがついているのも、当然にも、それなりに意味があるのだろう。単に「消費をやめろ」、ということでの展開ではない、そう受け取ることができる(まだ読んではいないがー)。twitter書評でも、そんな指摘があった~。
それにしても、ネットで「ちらっ」と、見ただけだが、次は「路地裏資本主義」とかいう新書を用意しているようだ(確かならだがー)。「里山資本主義」が、ベストセラーになっているが、内容もよいが、題名もよかったこともそれに輪をかけた?。そうも思っている。この「路地裏資本主義」もいい題名だ。ベストセラーになるかも?。
ということで、twitterの世界で、ツイートされていた「ミニ書評」から、なんとなく気に入ったものを3つほどあげてみた。それぞれの読み方、感じ方があることがわかる書評だ。私もまた別の感想を持つのかもしれないー。
ついでに、このところ、関心を寄せている「贈与論」についての本をいくつか。内田樹さんが、この手の展開では群を抜いているが、歴史的名著とされるモースの「贈与論」も(もう何度も買っているのだがー手元から失せてしまう~)。数か月前に読んだ「贈与の歴史学」(だったか?)、これもタメになった新書だったー。なお、ネット経由できょう注文した本も掲載しておきますー。
移行的混乱に次いで、現代という時代を過去から分析し、未来への希望を提示しています。顔の見える中での経済活動をしていこうということで、思えば脳はあまりにその能力をPCや通信技術で拡大していきすぎたのかもしれません。そのためにおれおれ詐欺も起きるし、経済活動や法整備が言ってみれば詐欺みたいなもんだ、ということになってきます。問題は今の利便性をかなり担保しつつ、最大消費を行う年齢層の経済活動のスタイルを変えていくことができるかということか。どういう暮らしがかっこいいか、ということに尽きるかな。
内田先生の周りにいる人は、他の人が言わないことを言ってくれるので、書店で見かけると、つい手を伸ばしてしまう。「小商い」なんて、経営者が言うことじゃないって思ってしまうが、実際経営者である人が言うのだから、耳を傾けてしまう。今度は「消費」をやめるって、そうしたら、会社が儲からんやんか、というのが普通の反応。自分の常識の枠組みを破壊され、それでも読み続ける気がある人にだけ、この本は存在している。こういう読書を楽しめる心の余裕と、そういう本を選ぶことのできる選球眼の確かさだけは持ち続けたいものだ。
【ご注文明細】
1.贈与論/マルセル・モース/筑摩書房 価格:\1,296 x 数量:1 = 合計:\1,296
2.マルセル・モースの世界/モース研究会/平凡社 価格:\864 x 数量:1 = 合計:\864
3.弱さの思想/高橋源一郎/大月書店 価格:\1,728 x 数量:1 = 合計:\1,728
4.花桃実桃/中島京子/中央公論新社 価格:\626 x 数量:1 = 合計:\626
5.「消費」をやめる/平川克美/ミシマ社 価格:\1,728 x 数量:1 = 合計:\1,728
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