大瀧詠一さんを見直しました 「大市民講座」(内田樹)から
わっはっはっは」とか、「なるほどねー」、あるいは「そうきたか~」、「私も同感ー」「おっ!、そんな見方も?」-。どの頁を開いても、さまざまに楽しめて「耳学問」?になる、そんな本にはめったに出会わないが、この本はその数少ない書物のひとつ(だと、私は思うー笑いー)
「それは初めて聴いたー」(私が浅学非才のためー)というのが、「あとがき」に。
「大瀧詠一さん(音楽家、「はっぴいえんど」)は1950年から58年まで、ウィーヴァーズの『グッドナイト・アイリーン』からキングストン・トリオの『トム・ドゥーリー』までの間、フォークソングが一曲もアメリカのポップスヒットチャードで一位になっていないという事実を(おかしい)と思いました。ふつうはそんなことは思いません。(流行ってなかっただろ)と思うだけです。
でも、大瀧さんはそうせずに、そこからマッカーシズムが50年代のフォーク・シンガーたちにどのような政治的圧力を加えたのかをさまざまな資料を駆使して明らかにしてゆきました。淡々と歴史的事実だけを語った後、大瀧さんはFBIから活動停止を命じられていたウィーヴァーズのカ...ーネギーホールでの56年の再結成コンサートのライブ録音盤をかけます」
「私も同じですね~」というのが、以下の「マルクスの修辞学を愛す」。
「何より私はマルクスの修辞学を愛す。彼はしばしば論理上の難点をレトリックひとつで切り抜ける。それゆえ私は若い人たちにマルクスを社会理論
としてではなく、卓越した『言葉の使い手』として読むことを勧めている」
ほかにも「『無法を止める』から始める基地問題」も、まさしくー。
「日本についてだけアメリカが基地撤去を受け容れないのは、東アジア唯一の敗戦国に対しては『無法が通る』と思っているからである。それとまったく同じように、日本政府が沖縄県民に犠牲を強いているのは、明治以降に併合された辺境の地に対しては『無法が通る』と思っているかあらである。日本政府はまずおのれの『無法を止める』ところから始めるしかないだろう
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