「憲法」には私たちの思っているような「憲法」がない 「愛と暴力の戦後とその後」
「愛と暴力と戦後とその後」(赤坂真理)。
全9章とエピローグで構成。オビには、《国のかたち》が揺らぐ今 必読の日本論!とある。評判の新書なので、というか、かなり前から気にしていた「東京プリズン」の著者でもあり、ぜひ読もうと。読みだしたら、内容と展開に惹かれて、あっという間に。魅力的です。
ただし、第4章の「安保闘争とは何だったのか」は、別。自分も「70年安保闘争」の、その中にいたこともあり、カッコ良いまとめ方だけに、いや、それだからことか、物足りなかった。それは確か。1964年生まれだから仕方がない面もある。と思っているのです。しかし、こと、「憲法」となると、目からウロコのように読むことができる。これは「東京プリズン」も読まないといけないかも(積読で書架で眠っているのです)
全体では第二章の「日本語はどこまで私たちのものか」、第3章「消えた空き地とガキ大将」、第6章「オームはなぜ語りにくいか」、そして核となるのが、第8章「憲法を考える補助線」だ。この第8章は全体の背骨のような性格を持っている。239頁から240頁にある以下の疑問と流れ、指摘などはその典型だろう。お薦め本です。
(以下は本文から)
「憲」法って?本当は「国家構成法」とでも言ったほうがよかったのではないだろうか?まじめにそう思う。constitutionは、かの法と違い、国を規定するための法である。それは一種、特別な法だが、特別ということは、「憲」という字からは伝わってこない。「憲」って、本当はどういう意味なんだろう? たった一人、即答してくれた人がいた。その人はフランス文学者だった。 「『憲』は、おきていう意味だから、憲も法も同じようなことを言っていることになりますね」 なんてことだろう。「憲法」には、私たちが「憲法」と思っているよう意味は本来、ない!
(以下はウイキペディアから) 日本国憲法 読み方:にほんこくけんぽう 日本國憲法 とも書く 文法情報 (名詞) 対訳 constitution of Japan; Japanese constitution
けん‐ぽう〔‐パフ〕【憲法】 《近世まで「けんぼう」》 [名] 1 基本となるきまり。おきて。 2 国家の統治権・統治作用に関する根本原則を定める基礎法。他の法律や命令で変更することのできない国の最高法規。近代諸国では多く成文法の形をとる。→日本国憲法 →大日本帝国憲法 [名・形動ナリ]正しいこと。公正であること。また、そのさま。 「主人ガ―ナレバ国ガヨウ治リ」〈天草版金句集〉
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