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2015年5月26日 (火)

戦後すぐに参戦していたのだー~  「折々の言葉」(2)

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折々の言葉(2)   黒川純

「至急、会いたい」  海上保安庁長官の大久保武雄が米極東海軍司令部から連絡を受けたのは1950年10月2日。国連軍は仁川上陸作戦に成功し、韓国と北朝鮮を分ける北緯38度線を越えて北上を始めていた。

 米海軍の幹部が大久保に語った。 ---北朝鮮が敷設している機雷を除去するため、日本の掃海隊を朝鮮海域に派遣してほしい--。  

派遣は憲法にふれかねない。

 大久保は首相の吉田茂の指示を仰いだ。

吉田は米軍の要請に応えるよう返答した(大久保「海鳴りの日々」)

以上は朝日新聞夕刊5月21日の連載「新聞と9条」の第33回「朝鮮戦争と再軍備4⃣」の冒頭部分だ。

 この連載(34回が5月22日、35回がつい一昨日の25日)によると、掃海艇に改造された沿岸警備艇25隻が出動したことになっている。場所は38度線の北にある元山沖。そこで作業していた掃海隊の一隻(135トン 乗組員23人)が機雷に触れ、行方不明1人、重軽傷者18人を出した。  

<えっー朝鮮戦争に日本も参戦していたのか?>。と、記事を読んでびっくり。ベトナム戦争には関心があったが、私が生まれたその1950年に始まった朝鮮戦争にはそれほど目を向けてこなかった。

 だが、今の危うい空気をみているうちに、<なんだか「朝鮮戦争」をもっと詳しく知らないといけないぞ>そんな胸騒ぎを覚えたのか今春。時間ができたところで読もうと思って、新春に買い求めていたのが、『朝鮮戦争 上巻・下巻』(芝豪、講談社文庫)。そのまま積読状態になっていた。

 だが、この数日の「新聞と9条」の連載記事を読んでいるうちにはっと。<そうだ、あの『朝鮮戦争』にもっと詳しいことがきっと>。25日から読み始めてみると、やはりー。「二部 第二章」の「朝鮮海域掃海」が。409頁から455頁まで46頁にわたって、この戦後の「参戦」が描かれていた。

 詳しいいきさつはこの本によるとして、最終的に「特別掃海隊のうち、下船したのはごく一部。全体は大規模な朝鮮海域掃海が実施されていたのだという。  46隻と大型試航船(あえて機雷の爆発に立ち向かうテスト船)一隻、約1200人。こんな態勢で組まれた大作戦に発展していたのだという。 完全な海外派遣だが、乗組員は緘口令が敷かれていたようで、この作戦が世間に知れ渡るのは1954年1月18日の産経新聞のスクープから。

「海上保安庁掃海艇元山上陸作戦に参加」。「政府の責任を明かにせよ」。野党の追及に、首相の吉田茂は衆院本会議で答えた。

 「私には現在記憶がございません」(「新聞と9条」)。

『朝鮮戦争』は、この部分をもう少していねいに記している。

 「掃海艇が沈没した。マッカーサー元帥が云々と言われるのでありますから、マッカーサー元帥が日本におられるときのことであろうと思いますが、私には現在記憶がございません」(『朝鮮戦争』)

 吉田首相が掃海艇を派遣している、それは事実だろう。だが、国会では知らん、覚えていない。そういう答弁だったというのだ。戦争を放棄した「戦後日本」だが、実際は米極東海軍参謀副長、アーレイ・バーク少将の要請に応じ、海上保安庁の職員を海外派遣し、「朝鮮戦争」の上陸作戦に参加」していたのだ。  「戦争と9条」によると、野党は違憲だと詰め寄った。

その答弁はどうだったか?当時の外務大臣、岡崎勝男はこう答えたという。

 「あれは戦闘に従事したのではなく、掃海に従事したのであります」(3月24日、参院外務委員会)。

 これから本格化する安倍安保法制論議の行方を占うような答弁が1954年、今から60年前に国会で行われていた。そのことを知り、さらにびっくりしたのは、言うまでもない。

 

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