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2016年1月 3日 (日)

聖人、犯罪者、偽善者  推す『二番煎じ ものぐさ精神分析』

 

  Img_5785 人間は誰でも、ある程度は聖人、ある程度は犯罪者、ある程度は偽善者である。ホンネを表現するために、酒の力を借らねばならない人もいる。ユーモアに訴えて、タテマエの中にうまくホンネをすべり込ませる人もいる。自分の口からはホンネを言わず、相手が察してくれことを期待する人もいる。タテマエとホンネは、いわば弁証法的関係にあり、その矛盾にどう対処するかは、われわれの生き方にかかわる問題である。

 

 意味深長な指摘がぽんと。短いエッセイ「タテマエとホンネ」。人は誰でもある程度は、聖人であり、犯罪者であり、偽善者であると。〈確かにそう言えるかも〉。フロイト学者の岸田秀氏が語ると、さらに納得してしまう。「三島由紀夫の精神ははじめから死んでいた」で始まる中編エッセイ「三島由紀夫論」などに、「ごもっとも」と、読んだだけになおさら(いずれ、この三島由紀夫論はぜひ紹介したい)。あっ、問題はこの「タテマエとホンネ」だった。

 

 このエッセイで興味深かったのは、以下の部分。

 

「人間関係はある共通のタテマエをたがいに守るということで成り立っている部分が大きいから、タテマエが崩れれば、人間関係は崩れる。そもそも、人間を信頼するということが、相手がそのタテマエに忠実に行動すると信頼することであって、何やらよくわからぬホンネをいつむき出しにするかもしれない人とは安心してつき合えない」。

 

「タテマエとは社会的に、あるいは少なくとも二人の関係において是認されたかつてのホンネであると言うことができる。恋愛中の二人は互いに永遠に愛し合い、助け合うことを誓う。そのとき、それは二人のホンネであるが、そのうち別のホンネが生じてきて、かつての誓いはタテマエになる・・・」

 

 『二番煎じ ものぐさ精神分析』(岸田秀、青土社)から。発刊は1988(昭和53)年5月10日初版。私が持っているのは、1991(昭和56)年2月の第13刷。それにしても初版からすでに30年近くも経って。最初の著書『ものぐさ分析』で知られるが、そのとき、著者44歳の1977年。もう40年近くになる。この本は「唯物論」でもなく、「観念論」でもなく、「唯幻論」として華々しく登場した。


 

 このあとに確か、俳優・監督の伊丹十三との対談本『保育器の中の大人』(だったか?調べたら「哺育器の中の大人」でした。)を出し、これも熱烈に読んだ記憶がある。その伊丹十三が帯文で「本書を推薦す」と。そこでこう推している。この帯文でいかにこの「奇書」の基本がきちんと示されている。「霧降文庫」推薦の本です。

 

 文学士岸田秀氏は云う、人間にとりて、萬物は幻想なりと。そも人間は本能の壊れたる動物なり。されど本能無くしては一歩も動くこと能わず。されば壊れたる本能の代替物として幻想を発明し、これをもって行動原理となすに至れりと。本書は唯幻論なる一大妄想によって自己と世界を貫通したる天下の奇書デス。○本書の効能○気が楽になる○争いの心が消える○物事がクッキリ見える様に成る。

 

(折々の<状況>その41 2016・1・3)

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