川内原発運転停止と伊方原発再稼動中止を 「日光の会」が声明
2016年4月28日 市民団体「さよなら原発!日光の会」
〒321-1421 栃木県日光市所野1541-2546
代表 富岡洋一郎
熊本県を中心に震度7の2回の大地震が起きたうえ、震源が広範囲に広がる異例の熊本地震が今も続いています。震源域は北東側の大分県や南西側に拡大。最初に最大の地震が来て、次第に余震が収まる通常のパターンは当てはまりません(朝日新聞、4月24日)。気象庁では数か月単位で地震活動が続く可能性があるとみていますが、4月16日に7・3の大地震が発生して以降、「過去の事例にあてはまらない」として、「余震発生確率」の発表を取りやめています(毎日新聞、4月26日)。地震や火山噴火という自然災害で、万が一にも原子力災害を発生させてはならないはずであり、その観点から私たちは熊本地震の周辺地域に立地している九州電力川内原発及び四国電力伊方原発の安全性について強く危惧しています。
最初の大地震から半月になる今も繰り返し、地震が起きておりますが、その中、稼動中の川内原発は今回の震源域である熊本県の布田川断層帯のその先、鹿児島県寄りにある日奈久断層帯を南西方向に延長した地域に位置しております。震源域が拡大している特異な地震が起きているため、その川内原発の稼働を継続することに対する社会的な不安が一日ごとに高まっております。
一方、今回の熊本地震は阿蘇、大分方向にまで伸びており、これらは、中央構造線の断層帯の活動とされています。歴史上の記録として、1596年9月、大分県から愛媛県にわたり、中央構造線が活動した大地震である慶長豊予地震が起きており、伊方原発直近の中央構造線の断層が大きな地震を起こす恐れがあります。今夏にも再稼働が予定されている伊方原発を地震が直撃し、強震動が襲う可能性も考えられます。
熊本地震は中央構造線の西側にかかる布田川断層帯で最初の地震が起きました。そこから中央構造線に沿って、徐々に北東と南西に震源域が拡大しています。このため、地震学者の島村英紀さんも中央構造線に沿って震源が広がることをこう言って心配しています。
「阿蘇、大分ときたら、次は明らかに愛媛です。また、南西方向から鹿児島地方にも震源が延びている。中央構造線は日本列島ができてから、何千回も地震を繰り返してきた札つきの断層。今回は日本人が初めて経験したといってもよい、そのラインに沿って拡大している地震です。連鎖を起こすかもしれません」(週プレNEWS 4月25日)
今回は、気象庁でさえ、熊本地震の発生の仕方に戸惑い、地震の専門家も地震の連鎖を心配しております。今こそ、被害の重大性が科学的に完全に分かっていなくても、予防的に対策をとることが大切であるという「予防原則」(1992年の環境と開発に関する国際連合会議リオデジャネイロ宣言・第15原則)の考え方に立ち、判断すべきです。私たちは、その見方に立ち、政府と原子力規制委員会に対して、地震・火山による災害を「東電福島第一原発事故」に見られた原発事故災害に拡大させないため、川内原発を直ちに停止させ、伊方原発の再稼働を認めないことを強く求めます。
以上、市民団体「さよなら原発!日光の会」として、内外に声明します。
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