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2016年5月23日 (月)

「しゃべくり捲れ」と、小熊秀雄は叫んだ 「詩人の眼」その草稿

Photo 毎月20日締め切りのエッセイ、今回も数日遅れに。メールで編集委員会に「恐縮です」と、もう何回、お詫びしたことだろう(泣く)3月号からの半年間連載、その最終回。最後ぐらい、締め切りを守りたかったのだが|~。

「詩と思想」8月号原稿 「詩人の眼」 5月23日(月)

「しゃべくり捲れ」と、小熊秀雄は叫んだ
                    黒川純

 。。。。。。。
 ゙ と、考えるまでもなく、あっさりと小熊秀雄協会に参加しようと思わせる小熊秀雄の詩とはどんなものなのか?、詩人以外の読者は不思議がることだろう。そこでひとつの典型的といってよい小熊の詩「しゃべくり捲れ」の、そのほんの一部を挙げてみたい。と、思っていたことをそのまま書きながら、『小熊秀雄 人と作品』(岡田雅勝 清水書院 1991年)をチェックしていたら、「小熊の詩作品を代表する」とあった。

私は、いま幸福なのだ
舌が廻るということが!
沈黙が卑屈の一種であるということを
私は、よっく知っているし、
沈黙が、何の意見を
表明したことにも
ならないことを知っているからー。
若い詩人よ、君はしゃべくり捲れ
我々は、だまっているものを
どんどん黙殺して行進していい、
・・・・・
薔薇は口をもたないから
匂いをもって君の鼻へ語る、
月は、口をもたないから
光りをもって君の眼に語っている、
ところで詩人は何をもって語るべきなのか?
4人の女は、優に一人の男を
だまりこませるほどに
仲間の力をもって、しゃべくり捲るものだ
プロレタリア詩人よ、
我々は大いに、しゃべったらよい、
仲間の結束をもって
敵を沈黙させるほどに
壮烈にー。

 この詩の中に「プロレタリア詩人よ」とあるが、『小熊秀雄とその時代』(せらび書房)や『小熊秀雄 人と作品』によると、小熊秀雄がプロレタリア詩人会に入会したのは、30歳の1931(昭和6)年だった。「プロレタリア文学運動に入り、魚が水を得たように元気に活動的になった」(小熊の妻・つね子「小熊秀雄との歳月」)。翌年の1932(昭和7)年、日本プロレタリア作家連盟(ナルプ)と発展的に解消し、小熊も参加した。その年、ナルプも構成団体のひとつとする日本プロレタリア文化連盟(コップ)が弾圧された。小熊も検挙され、29日間の拘留を受けた。さらに1933(昭和8)年、小林多喜二が虐殺されたという知らせでナルプ委員長のところに駆け付けたところで検挙され、再び29日間の拘留を受けた。日本プロレタリア作家連盟は1934(昭和9)年に解体宣言を出したが、小熊はその翌年の1935(昭和10)年に第一詩集『小熊秀雄詩集』と長編叙事詩集『飛ぶ橇(そり)』を刊行している。
 小熊秀雄はプロレタリア文化運動が終わった時期から登場したという。それだけに「しゃべくり捲れ」が弾圧で衰退するしかなかった当時の詩壇に与えた影響は大きかったのだろう。「ヴィトゲインシュタイン」(清水書院)などの著書もある岡田雅勝は、彼の「最後のふんぞり返り」だと解説しているが、これは「なるほどー」と。

 「もし詩人がさまざまな圧力や束縛によって歌うことを止めたとしたら、それは詩人として生きていないのだ。〈しゃべくり捲れ〉という小熊は叫ぶは、自分が詩人としての路を選んだ以上は、もうその路を歩むことしか残されておらず、歌うことで自分の路が絶たれるとすれば、もう自分は生きる方途がないという最後のふんぞり返りであった。それは歌うことを止めた詩人に対する非難であり、弾圧に屈している詩人たちに勇気をもって立ち上がることに詩人の存在理由があるという促しでもあった」

 と、まぁ、今から80年前の小熊秀雄の「詩想」をなぞっていたら、
。。。。。。。。

(残りは「詩と思想」8月号でー7月下旬、全国書店で刊行ー)

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