たくさんの美味しい珈琲たち 「快気祝い」記念詩・黒川純
2016・8・20 「快気祝い」記念詩
黒川純
たくさんの美味しい珈琲たち
それが手強い岩石なら、原子からじょじょに掘り崩していくべきだ
清潔な正義たちが、舞台の口上をたくさんのポストに投函するため
指し示す一本の杖で、海原が割れ、大草原となった山あいの小道へ、
あっちに行って紙風船、こっちに行って紙飛行機、右往左往しながら
きらきらしたまっすぐな朝顔の露でお互いの顔を洗い合い
ニッカポッカを着こなした山盛りのハンマーで叩き壊していけば
いつも週刊誌を手にするあなたも私も美男と美女になっていくだろう
シェアに次ぐシェアで荒れ狂う世界の怒りの海に乗ったその信号弾で、
いつもつーんとしたお澄まし顔のとんがり帽子を泣かせてしまおう。
それには、もうひとつの戦略と戦術が街角から立たねばならない。
ネタを仕入れるのではなく、視えない手品の管理人になってやろう
切っても切れそうにない泥沼を突き落とすため、どぶ板からどぶ板へ
街角の小さな木霊をたくさんの美味しい珈琲たちに変身させー
いや、糸電話からの秘密の情報をたくさんの美酒に変えてもいい
発酵したフレーズがだんだんと嬉しい悲鳴を上げるJAZZになったなら
鎌と鍬、ツルハシとスコップを片手に、透明なプールに飛び込むがいい
手を差し伸べる救命ボートだらけの下りの列車が共鳴しながら
花吹雪の大音響と共に懐かしい未来が待ち受けていることだろう
相手のそれはおせじだらけの調理なのに生煮えのコンクリートだけに
競走馬をビル街のコースを走らせる謀議がお得意なのも承知のうえで言うが
もう、そのコースの薄汚れたメッキは幼稚園のオモチャ箱行きなのだ
世界はそのように目隠しされてきたのだから、盛夏のぎらぎらした光を蓄えて
歴史はいつだって、槍と盾を携え、大きな風車に立ち向かっているから
私たちの遺伝子がわき目もふらずに42・195㌔を走り抜けるのだ。
21世紀の銀河鉄道に乗り込み、ゴーヤチャンプルーを味わって
ある晴れた午後、ウッドデッキづくりで汗をぬぐって曲尺をあてれば、
ゴールが見え隠れすると、霧の向こうで微笑む時の女神が告げることだろう
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