高野悦子へのソネット・・・・ 磯山オサムの詩
詩 三篇
磯山オサム
一 高野悦子へのソネット
警笛・1969年6月24日
ヒトハオモイノデ
ステルヨウイガアル
星の扉・しあんくれーる
カラダヲキリサカナケレバ
はかない自由を得られない
キオク・沈黙の湖底
遠くヒザマズク記憶
たどりつく記憶
夜の記憶が
そのまま鉄路を走り続けている
耳を閉じ・小舟・天神通丸太町下ル
生きて・北関東の空
ヒトハオモイノデ
二 夜想
空飛ぶネコの名前はお母ちゃん
もとヒト 青いレインコート
ずっとまえ詩人が
「人はかつて樹だった」と言っていたので
離散の寒い朝 この地にとどまるため
ネコになった
思い出 不明の鉄路
月の夜ノ森
うすい霧
過ぎた時間と汚れた風のすきま
眼を大きく開き 耳を立て
無垢と 生きている音をさがして飛ぶ
記憶の歪みを直しながら飛ぶ
もとヒト 金曜日 樹
空飛ぶねこ ひとり
いつか すべてのいまを伝えるため
飛ぶ
空の 空の 夜を
三 たまごのニュース
きのうときょう
サヨナラが自由を飛ぶ
たまごのニュース
窓越し j国のA首相
美しい国を増幅するために
津波の防護壁は黄金イロに塗りましょう
汚染水は四年後いちごしろっぷに
再利用出来るでしょうと発言しました
未来のために ネオンサインの奥深く
大正でもくらしー
黒色のアンブレラを隠しておきましょう
きたるバツバツ年のTおりんぴっく
廃墟の地図に拡大する茶色のシミと活断層
人形の軍隊が大陸方面に
戦意のウインクを繰り返しているので
消息スジによると
開催を危ぶむ可能性を示しています
j国での二度目の中止となるのでしょうか
思い出のオモテナシに追憶を奪われ
虚栄と色彩と寛容
SNSを永遠の友人としていると
遠メガネ 帰り道を不明にします
関西△組と△組中央が 小指をからませて 地の果ての渡世
現在も内緒のげばるとを繰り返しています
内部の組員によると 暦売り
もう〈永遠の嘘〉にもついて行けない
とのことです
世界的水平線 粉雪
登録されることのない夢
それでも
ときどき森の淵
〈うぃしゃるおーばーかーむ〉と
静かに
口ずさみましょう
« 新しいプロレタリア文学 不思議な魅力の「コンビニ人間」 | トップページ | 天候を横目にデッキ補修作業 「霧降文庫」のあちこちー。 »
「『序説』」カテゴリの記事
- コロナと私たち(前文) 「折々の状況」その(6)(2020.07.04)
- 我が道を行く不合理な同人誌 創刊45周年「序説」第26号発刊(2019.07.21)
- わくわくどきどきの読書 柄谷行人『帝国の構造 中心・周辺・亜周辺』(2018.05.31)
- 出撃9回、命令に背き、生還を果たした特攻兵 「不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか」(2018.01.29)
« 新しいプロレタリア文学 不思議な魅力の「コンビニ人間」 | トップページ | 天候を横目にデッキ補修作業 「霧降文庫」のあちこちー。 »
コメント