100年前に驚きの「神様製造工場」 カレル・チャペック
カレル・チャペック(1890~1938)の本人が言うには長編的連載短編、SF『絶対製造工場』(平凡社ライブラリー)。あとがきの訳者、飯島周によると、初期のドイツ語訳ではそのものずばり『神様製造工場』。その神様も核のエネルギー、空想上で盛んに言われた家庭用原子炉だが、それが現実に。それが神様となって、ひとつの市の明るさを引き受け、さらに世界で生産に次ぐ生産へ。「絶対」という神に祭り上げられるが、さまざまなトラブルの末、世界戦争へ。星新一にそんな小品があったような?。新聞連載なので、全30章に。でも、宗教談義も交えた半分のところまでが興味深い。後半は当時の政治状況がからんだ戦争状態を示すためだったか。SFとしては、やはり前半の部分がだんぜんいい。だれもが光に、神の心にあたってしまい、世の中が変わってしまう部分が、いわゆる「リアル」だ。現代のSF世界でも通じる。作品が書かれたのは1922年だというから、ざっと100年前になる。それが今を予見するような内容なのだから驚く。さらに代表作の『山椒魚戦争』も読まねばならぬ~xx
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