文明国家であるかどうかの基準 パンデミックを生きる指針
試されるのは、いかに、人間価値の値切と切り捨てに抗うかである。いかに感情に曇らされて、フラストレーションを「魔女」狩りや「弱いもの」への攻撃で晴らすような野蛮に打ち勝つ、かある。武漢で封鎖の日々を日記に綴って公開した作家、方方は「一つの国が文明国家であるかどうかの基準は、高層ビルが多いとか、クルマが疾走しているとか、武器が進んでいるとか、軍隊が強いとか、科学技術が発達しているとか、芸術が多彩だとか、さらに派手なイベントができるとか、花火が豪華絢爛とか、おカネの力で世界を豪遊し、世界中のものを買いあさるとか、決してそうしたことがすべではない。基準はただ一つしかない。それは弱者に接する態度である」と、喝破した。
藤原辰史 「パンデミックを生きる指針ー歴史研究のアプローチ」 『コロナ後の世界を生きるー私たちの提言』(岩波新書)
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