デカンショのショを手に 講談社現代新書「ショーペンハウアー」
デカンショ、デカンショで半年暮らし、あとの半年~寝て暮らすー、ヨイヨイ~デッカンショ。しばらく経ってからデカルト、カント、ショーペンハウエルを
歌った大正教養主義時代の旧制高校時代の歌だと知った。が、「方法序説」のデカルト、「純粋理性批判」のカントはいいとして、ハウエルはそれほど高名だったのか?と。でも、大正から昭和への時代としては軍靴の足音がひたひたと。ならば「三太郎の日記」とともに当時の青年たちがデカンショに魅かれたのもうなづけなくはない(私の場合は旧制松本高校時代の抱腹絶倒の生活をつづった北杜夫の「ドクトルマンボー青春期」だが)。そんな絡みで新刊の「ショーペンハウアー」(ショーペンハウエルではないのだね、講談社現代新書)を手に。富裕な商人出身だが、途中から哲学徒へ。かの「精神現象学」のヘーゲルと同じ時期の大学で哲学を教えていたが、学生はもちろん絶頂期のヘーゲルの講座に。「そうだったのか」というエピソードも知る。新書のオビは「苦しみに満ちた人生を、いかに生きるべきか。欲望を原動力とした現代社会の歪みが、生きづらさに拍車をかけている。苦悩や葛藤から自由になるための『生きるヒント』」。新書とあって内容はハウエルの思想の案内までだが、その案内に導かれて、主著「意志と表象としての世界」ではなく、晩年の「処世訓」を読んでみたいなと。
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