読んでみたいとネットで注文 「泉鏡花短編集」 「泉鏡花 生誕150年」(朝日新聞読書欄)
泉鏡花といえば、浅学非才なので、私が知っているのは「高野聖」ぐらい。とても有名なので、それだけは読んでいるが、そこに出てくる幻想的な「虫」たちの世界がなんとも印象深く、いつまでも頭の中に残っている。いわゆる小説という枠からはみ出た幻想的な世界が描かれている。読後感がいつまでも残る不思議な小説だ。その強い体験も消え去るぐらいの年月が経っていたが、たまたまきょう2023年9月23日(土)の朝日新聞読書欄で「ひもとく 泉鏡花 生誕150年」で特集を編んでいた。そこから泉鏡花の著書3冊が紹介されているが、一番手軽なのが、「泉鏡花短編集」。9篇あるというから、ぜひ読みたいと、さっそくいつもの「本やタウン」経由で注文することにした。このブログを書いたら、すぐに。ということで、その朝日新聞読書欄の「泉鏡花短編集」を紹介したところだけ、貼り付けることにした。(以下は、朝日新聞読書欄から)
ちなみにアンソロジストたる私自身が常にお手本として意識していたのは、ドイツ文学界の碩学(せきがく)・川村二郎が編んだ『鏡花短篇集』一巻だった。「凝集した幻視のきらめきを核としている」9篇の短篇・小品から成る同書には、鏡花的幻想の核となる妖美なイメージが、これでもかとばかりに濃縮されていて、陶然たる読み心地へ誘われる。
とりわけ、鏡花邸の庭に飛来する雀(すずめ)の親子の愛らしい生態が描き出される「二、三羽――十二、三羽」は、集中の白眉(はくび)というべき名作で、小さく稚(いとけな)きものを慈しむ鏡花のまなざしが何より印象的だが、その後半、雑草を探して近隣を徘徊(はいかい)する鏡花が、招かれて崖際に建つ不思議な邸宅に入り込むあたりから、物語は不意に幻妖の色合いを濃くし、関東大震災の災禍とともに突如、強制終了となる。
思えば今年が、鏡花生誕150年と同時に、関東大震災から100年目の年でもあるとは、何がなし因縁めいていよう。
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