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2023年10月16日 (月)

「放射線被ばくとの間の関連は認められない」という「結論」だが?   福島の子どもたちの甲状腺検査結果報告書に「誤り」の指摘も

Photo_20231016121001 「甲状腺がんと放射線被ばくの間の関連は認められない」、福島県で甲状腺検査の結果を検討している(福島県民健康調査検討委員会)「甲状腺検査評価部会」が7月28日に検査結果について、「報告書案」を公表していた。そんな報告があることは聞いていたが、「本当にそんな結果がでているのかどうか?」と思っていた。ネットでは一方的な結論だけの記事だけしか見つからなかったが、ようやく私が信頼しているインターネット放送局(白石草さんが代表)「アワープラネットTV」で、そのことを報じていたのがわかった。

 

「結論」は、「そんなに簡単にまとめていいのか?」という内容だ。さすがにこの「アワープラネットTV」、この問題にとても詳しい専門家である津田敏秀岡山大学大学院教授(環境疫学、医学博士)の批判的なコメントも掲載していた。福島第一原発事故で飛び散った放射線が原因で甲状腺がんになったとして、東電を相手に裁判が進行している「3・11子ども甲状腺がん裁判」は今まさにそのことを争点にして進められている。津田教授は「今回の報告書の結論は誤り」と明言している。さて、今回の「結論」と「結論は誤り」がどのような形で裁判に影響を与えていくのか?、その行方を見守りたい。

(以下「アワープラネットTV」のTwitter記事から)

福島県内で実施されている甲状腺検査の結果を検討している「甲状腺検査評価部会」が7月28日に福島市内で開かれ、4巡目までの検査結果を解析した報告書案が公表された。報告書は、被ばく線量と悪性ないし悪性疑い発見率との関連について、「被ばく線量の増加に応じて発見率が上昇するといった一貫した関係(線量・効果関係)は認められなかった。」 とした上で、「先行検査から検査4回目までにおいて、甲状腺がんと放射線被ばくの間の関連は認められない。」と結論づけた。

報告書案をとりまとめた鈴木元部会長は、「これまでで最も自信のある解析手法」と胸を張ったが、疫学者の祖父江孝明大阪大学教授は、「被ばく線量の増加に応じて発見率が上昇するといった一貫した関係(線量・効果関係)は認められなかった。」という記述は実態にあっていないと指摘。この解析方法では、因果関係を否定することはできないとして、報告書を見直すよう求めた。

検査症例、がん登録症例より重症〜「過剰診断論」と矛盾か

報告書では、福島県の「甲状腺検査」結果と「地域がん登録」及び「全国がん登録」情報の突合結果についても言及している。がん登録のみに登録されている患者と検査でがんを見つけた症例を比較したところ、がん登録にのみ登録されている(検査以外でがんを見つけた)43例のうち20例(46.5%)が上皮内または限局性の症例であったのに対し、福島県の甲状腺検査で見つかったがんでは、177例のうち62例(35.0%)と、検査で見つかった患者の方ががんが進展していたとしている。

また、2012年から17年のデータから、領域リンパ節転移、隣接臓器浸潤、遠隔転移の割合を比較した場合でも、がん登録のみに登録されている患者(51.9%)より、甲状腺検査で見つかった患者(65.0%)の割合が高かった。このように福島県民検査によって見つかったがんの方が、自覚症状など「健康調査」のルート以外で見つかったがんよりも、がんが進展していると評価されており、「過剰診断」との指摘と矛盾した結論となっている。

報告書は、部会での修正をしたのち、評価部会の上部機関である検討委員会に報告される見通しだ。

資料:https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/21045b/kenkocyosa-kentoiinkai-b21.html

津田敏秀岡山大学大学院教授のコメント

福島医大が採用した分析方法を考慮して考えると、今回の解析結果は、明らかに量反応関係が示されており、報告書の結論は誤りと言える。また誰もが問題視している数十倍の多発について、ひとことも言及されていないのは、とても専門家の解析とは思えない。がん発症者の数が刻々と増加している中で、データが適切に分析されず、適切な判断もなされないまま、がんの多発が判明してから10年以上になる。この失態の責任を受け止め検討委員会や甲状腺検査評価部会は刷新すべきである。

 

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