海外で人気、博士論文の対象にも~ 奇妙な芥川賞作品「コンビニ人間」(村田紗耶香)
それほど芥川賞作品を読まない私にしてもこの意表を突いた、普通の感覚から見事に外れた「コンビニ人間」で、にわか「村田沙耶香」ファンになりました~。その後に彼女の「消滅世界」、「地球星人」、「生命式」などを手に。いずれもあたりまえの常識を楽々と、というか、ひょいと、超えた先の村田さんの奇妙な感覚を味わえた。
その後も今はどんな新作を書いているのか、と、「村田紗耶香」さんから連想して、作家たちの顔が。愛読しているのは、「鷲田清一」や「内田樹」、「大澤真幸」、「中沢新一」、「上野千鶴子」や「川上弘美」、「斎藤美奈子」「高村薫」や「内山節」、「澤地久枝」(滄海よ眠れや妻たちの2・26事件)に「赤坂憲雄」(東北学)など。彼らの作品を気にしている。いや、待てよ、他に、そうそう、「柄谷行人」(世界史の構造)、「筒井康隆」(パプリカや旅のラゴス)「俵万智」(サラダ記念日)、「田中優子」(カムイ伝講義)、「森まゆみ」(上野戦争)、「熊沢誠」(国家の中の国家)も。
あげてみたら、ファンだった亡くなった作家、評論家はかなり多い。「廣松渉」(資本論の哲学)や「阿部謹也」(ハーメルンの笛吹き男)、「高木仁三郎」(プルトニウムの恐怖や市民科学者として生きるなど)、「大岡昇平」(レイテ戦記)、「大江健三郎」「加藤典洋」(言語表現法講義)や「石牟礼道子」(苦海浄土)、「池田晶子」「吉村昭」(戦艦武蔵や総員起し))、「安部公房」「白川静」「城山三郎」も。
若い時は「岸田秀」(ものぐさ精神分析)、「吉本隆明」(最後の親鸞や共同幻想論に西行など)、「鶴見俊輔」「高橋和巳」(邪宗門)、「清水昶」「寺山修司」(書を捨てよ町に出ようやかもめ)「丸山眞男」(日本政治思想史研究)、「羽仁五郎」(都市の論理)や「星野芳郎」「中岡哲郎」(労働の哲学)、「北杜夫」(どくとるマンボウ航海記や同青春記)、「坂口安吾」(堕落論)などだったがーなども。
いずれもふだん気になるこうした作家たちのそのひとりが村田紗耶香さん。FACEBOOKの論評によると、海外で評価が高く、博士論文の対象にする学生もいるとか~、これは初耳。「そうか~そんな対象になるのか、それもなるほどかな~」とも思う。
これをアップしようと思ったのは、きょうのFacebookで太田恵一さんが「おすすめの本」で、「コンビニ人間」についてうまいこと紹介していたため。とくに海外では博士論文の対象にしようと考えている学生もいるとか~のような指摘しから。気になる作家だと書いていたら、さらにいろんな作家、評論家、哲学者や社会学者などの顔が浮かんできたためです。以下はfacebookにアップされていた太田さんの論評です。
第155回(2016年)芥川賞受賞作品。
私は芥川賞作品が苦手だったのですが、最近、その毒気に汚染されつつあります。特にこの作品は思わず審査員が笑ってしまった作品だということ、また30以上の国・地域へ翻訳されていて、これは村上春樹、よしもとばななに匹敵すると聞き、手にしてみました。
主人公「古倉恵子」は36歳、コンビニバイト歴18年。子供の頃から変わっていて、感情が希薄。例えば、死んでいる小鳥を見て、持って帰って焼き鳥にして食べようと母親に言う。小学校でけんかを止めようとしてスコップで男子の頭を殴りつける。彼女にすれば最も効果的な方法であって、「やりすぎ」という感覚が欠如しているのである。
自分が何かおかしいと気付き始めた彼女は、何が「普通」なのかを学ぼうとするが、まったくわからない。そこで自分から行動することをやめ、誰かの指示に従うか、他人の真似をして、手探りで社会に順応しようとする。コンビニでのバイトを始めた彼女ははたと気づく。コンビニにはマニュアルがある。マニュアルどおりの笑顔、マニュアルどおりの挨拶をすると、周りとの関係がとてもスムーズに運ぶ。そう、コンビニが「普通」を教えてくれる場所だったのである。
しかし年齢を重ねるうちに「普通」が変わって来る。なんで就職しないの?なんで結婚しないの?コンビニのマニュアルが教えてくれない「普通」への対応に困った彼女はクズ男と偽装結婚して、コンビニを退職することに。はたして彼女はコンビニを卒業できるのか???
こんなテーマを思いついたのは、村田氏が実際にコンビニでバイトした経験によるとのこと。海外で高評価なのは、このコンビニという文化がとても日本的で興味深いからで、村田作品で博士論文を書こうとする学生もいたらしい。
「個性」ってなに?
「普通」ってなに?
なんで「普通」を押し付けて来るの?
奥深いテーマを持つ、とても変わった小説でした。
因みにこの作家、他の作品はエグイものが多いらしく、「クレイジー紗耶香」と言う異名を持っているらしいですね。う~ん、そそられてしまいそうで怖い。。
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