ウクライナ戦争の狼煙は2008年の「5日間戦争」で 「ウクライナ戦争の嘘」「ウクライナ動乱」「終わらない戦争」
お彼岸最終日だというのに日光霧降高原は朝から雪空が続いた。「晴耕雨読」日和ということで、終日、「ウクライナ戦争の嘘」(佐藤優、手嶋龍一、253ページ、中公新書ラクレ)と「ウクライナ動乱」(松里公孝、なんと新書で503ページの大著、ちくま新書)を手に。夕方までに読み終えることができた。
ウクライナ戦争の兆候はロシア軍が攻め行った2008年8月の南オセアチア独立をめぐるジョージア「5日間戦争」から(66ページ)ー。佐藤と手嶋の見方が一致。「このロシアとグルジアの軍事衝突は冷戦終結後、ヨーロッパで初めて起きた動乱でした。南オセアチアというグルジアのなかの『国家』をめぐってあがった8月の砲声こそ、西側陣営とプーチンの熱き戦いの狼煙だったのです」。
あるいは松里によると、ウクライナ戦争に入る際、開戦前夜、ロシア総司令部内で、「ドンバスに兵力を集中すべきか(保護国化)、ウクライナ全土で作戦展開、とくにキエフ急襲すべきか(親国家破壊)について、激しい論争が交わされた」(453ページ)など、今を評価する分析や驚く情報が何ヵ所も。先週読んだ「終わらない戦争ーウクライナから見える世界の未来」(文春新書、189ページ、小泉悠)も併せ、世間の百花繚乱的なウクライナ戦争観にある見方がさらに鮮明にー。
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