「核ナショナリズム」という思想を知るために 山本義隆さんの新刊「核燃料サイクルという迷宮」
元東大全共闘議長で知られる、いや、今や大仏次郎賞作家である科学史家、山本義隆さんが今読みたい「核燃料サイクルという迷宮」(みずず書房)という新刊本を発刊したと。昔は月刊誌「情況」でよく読ませてもらった水戸巌さんの「原発は滅びゆく恐竜である」からの引用も少なからずあるという。facebookでこの新刊を知ったが、紹介は水戸巌夫人である水戸喜世子さん。私も結局は核燃料サイクルがすべての原発政策の元凶だと思っているので、ぜひ、読みたいなと。以下にfacebookで読んだ水戸さんの本の紹介と「本やタウン」掲載の内容情報をアップして、この新刊本を伝えることに。
(以下は、水戸喜世子さんの案内です)
山本義隆さんが また素晴らしい本を書いてくださった。題名は『核燃料サイクルという迷宮〜核ナショナリズムがもたらしたもの〜
日本のエネルギー政策の恥部とも言うべき核燃料サイクル事業は、行き場のない放射性廃棄物(核のゴミ)を無用に増やしながら、まったく「サイクル」できないまま、十数兆円以上を注いで存続されてきた。本書は核燃料サイクルの来歴を覗き穴として、エネルギーと軍事にまたがる日本の「核」問題の来し方行く末を見つめ直す。
日本では、戦前から続く「資源小国が技術によって一等国に列す」という思想や、戦間~戦中期に構造化された電力の国家管理、冷戦期の「潜在的核武装」論など複数の水脈が、原子力エネルギー開発へと流れ込んだ。なかでも核燃料サイクルは、「核ナショナリズム」(疑似軍事力としての核技術の維持があってこそ、日本は一流国として立つことができるという思想)の申し子と言える。「安全保障に資する」という名分は、最近では原子力発電をとりまく客観的情勢が悪化するなかでの拠り所として公言されている。
著者はあらゆる側面から,この国の「核エネルギー」政策の誤謬を炙り出している。地震国日本にとって最大のリスク・重荷である原発と決別するための歴史認識の土台、そして、軍事・民生を問わず広く「反核」の意識を統合する論拠が見えてくる労作。
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