ナチスムに至る政治的暴力に視点の新書 「ナチズム前夜 ワイマール共和国と政治的暴力」
これは「遠い昔」や「遠い場所」の話ではないー。オビにそうあるが、確かに。ナチスが、ヒトラーが、「全権委任法」を成立させ、ヒトラーの独裁を法的にも正当化させ、確立させた最大のポイントが、1933年3月23日のことだ。社会民主党の94名が反対したが、3分の2以上の441名が賛成した。
この新書「ナチズム前夜 ワイマール共和国と政治的暴力」(原田昌博、集英社新書)。8月14日に発刊されたばかりだ。かつて、林健太郎「ワイマール共和国 ヒトラーを出現させたもの」(中公新書)を興味深く手にしたが、新書でワイマール共和国の崩壊に至る情景を全面から描くのは久しぶりかも。
それもナチスなど当時のドイツがいかに政党をバックに拳銃などの凶器による殺人もいとわない暴力的な世界にあったか、それも白昼の街頭や集会、デモ、酒場で。警察事件報告や著名人日記などから、これでもかというぐらい次々と再現させている。それも政治的、日常的、国家的とレベルを腑分けしながら。そのところに大きな特色があり、ため息をつきながらだか、一気読みさせられた。
392ページと新書としては大著だが、内容が豊かでそう思わせない。いやいや、エピソードいっぱいの労作だと思わされた。ベストセラーになることを願う。まゆをひそめざるをえない現代の政治的動向と重ね合わせながら、そこにあった悲劇の歴史を現場に立ち会うように知ることができるのではないか。
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