三ヶ月で177人に死刑判決の恐怖政治 1789年から10年間の「フランス革命」
ただいまこれまであまりなじみがなかった「フランス革命」へ。「物語 フランス革命」(中公新書 安達正勝)と「物語 フランス革命」(佐藤賢一 集英社)「Ⅰ 革命のライオン」、「Ⅱ バスティーユの陥落」、「Ⅲ 聖者の戦い」ー。「自由、平等、友愛」あるいは「国民主権」で知られる大革命、フランス革命は1789年から1799年までの10年間というー。革命が生んだ「天才」ナポレオンがまたたくまに皇帝になっていくまでという区分だ。日本はまだ徳川幕府第11代将軍家斉の寛政時代から始まるという。
ルイ16世も王妃マリー・アントワネットも反革命家も政敵たちもギロチンにかけ、結局は失脚させられて自らもギロチンに消えた恐怖政治の代名詞、ロベスピエールー。その弁護士の彼も最初は熱烈な死刑廃止論者だったのをこの新書で初めて知るー。設立された悪名高き革命裁判所は、1793年の最後の3ヶ月、10月―12月に395人の被告のうち177人に死刑の判決を下した。二審はなく、即ギロチンへ。半数近くが死刑になったというからさすがに。確かに反革命や対外戦争で疑心暗鬼の末といいながら、革命の大義に矛盾する不名誉な恐怖政治が続いたときもー。
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