第3巻からがぜん面白くなる短編集だね 薪割りの合間に「司馬遼太郎短編全集」へ
長く積ん読だった「司馬遼太郎短編全集」を第一巻から読み始めました。初期1950年ー1957年の物語は主にモンゴル高原などが舞台だが、あらすじがいかにも大味。まだまだ手法が練れていないのだねという印象が否めない。だが、今、手にしている第三巻1960年になると、がぜんぐいぐいと読ませるつくりに。幕末ものの「丹波屋の嬢さん」、平安時代の「外法仏」、やはり幕末を背景にした「みょうが斎の武術」などがそう。起承転結がそれぞれに意表を突いており、ともかく面白く読ませる。確か全集は十数巻のはず。司馬の「全講演集」(全5巻)を読み終えて感じるのは、彼の基本的な社会の見方、イデオロギーはかなり肌に合わないなと。というか、どちらかというと批判的にならざるを得ない。ただ、「坂の上の雲」など数々の小説には魅せられてきた。今冬はその短編の数々を薪割りの合間に楽しみたい。
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Kan Matsumura
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