「喧嘩早雲」とは足利の田崎早雲だったとはー 筆が冴えている「司馬遼太郎短編全集 9」
「司馬遼太郎短編全集 9」(文芸春秋)を読み終えた。短編14篇から成る全790ページの大冊だ。書いたのは、1964年、つまり昭和39年の東京オリンピックの年(私は中学3年生のとき)だが、遼太郎節がますます冴えてきている頃の筆だろう。徳川幕府崩壊の幕末の歴史も含めた小説なんで、次々と読む進めることができた。
なかでも、「喧嘩層雲」、「肥前の妖怪」、「酔って候」の3篇は味わい深い。とくに土佐の山内容堂を描いた「酔って候」は単行本にもなっている中編だ。確か以前に読んだと思っていた。しかし、意外や意外、読み進めると、土佐藩の容堂の置かれた歴史的な位置づけや土佐藩の独特の成り立ちなど、細部まで知らなかったことがわかった。有名な題名なので、読んだものだと錯覚していたようだ。
収穫だったのは、「喧嘩早雲」。てっきり関東の雄、北条早雲の伝記編かと思っていたら、これは絵師であり、剣客であり、戊辰戦争時代の足利藩(1万1000石の小藩だったとか)の「軍事指導者」でもありー。それをおもしろおかしく描いている。「喧嘩早雲」によると、当時の関東小藩では珍しく、反徳川であり、勤王方についた藩だという。浅学菲才にして、足利戦争があったこともこれで知った。足利藩として、それを率いたのが、田崎早雲であり、その活躍に至る流れを描いている。
確か足利に早雲の作品を収めた「早雲美術館」があるはず。その早雲については、足利藩の「家老」であり、高名な画家であったというぐらいは知っていた。しかし、もっと多面的な顔があり、幕末の歴史に生きた人であるとは知らなかった。な
ので、早い機会に一度、早雲美術館を訪ねたいと思ったことだった。
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