次々と歴史に立ち合ってきたのでー 第96刷の岩波新書「歴史とは何か」を読む
昭和、平成、令和を生きてきているので、もう歴史的人間になったという自覚がある。阪神大震災、福島第一原発事故、東日本大震災、コロナ、ウクライナ戦争、イラン核施設空爆と、次々と歴史そのものに立ち合っている。なので、改めて高名な「歴史とは何か」(岩波新書)を読もうと。学生時代に一度、手にしているが、歯が立たなかった記憶がある。それから半世紀後、<この年になったのだから、もう理解できるだろう>。そう思ったが、やはり、今回も全部は理解できず、ほぼ半可通だった。
全254頁のうち、数少ない「なるほどねー」とほほ納得したのは、第6章「広がる地平線」222頁~223頁にある以下のフレーズだ。
科学にせよ、歴史にせよ、社会にせよ、人間現象における進歩というものは、もっぱら、人間が既存の制度の断片的改良を求めるにとどまることなく、理性の名において現存制度に向かって、また、公然たると隠然たるをとわず問わず、その基礎をなす前提に向かって根本的挑戦を試みるという大胆な覚悟を通して生まれてきたものであります。
この新書では、歴史上の人物として、ヘーゲル、マルクス、フロイトの3人を何度も登場させているが、フロイトはそうではないがe
、ヘーゲルやマルクスには批判的な論調だ。ウィキペディアによると、親ソ派だったが、ススターリンの恐怖政治が明らかになると、ソ連に「敵対的」になったとある。そういう経過を知ると、カーの論述もわからないではない。
カーだから手にしたのではなく、60安保で知られた論客、清水幾太郎が翻訳しているということで、若いときも今回も読もうとした。今回はたまたま日光今市の書店で積まれていたので、手を伸ばした。チェックすると、初版は1962年3月。手元にある2025年4月の発行版は第96刷ー。<えー、96刷も!>。とびっくり。すでに60年以上も経過しているとは。息の長い定番の新書であることがわかる。オビも「いつ読んでも新しい。この一冊から読む岩波新書」とある。
ウィキペディアからー。
『歴史とは何か』
『歴史とは何か』の第一講で述べられた「歴史とは、歴史家とその事実のあいだの相互作用の絶えまないプロセスであり、現在と過去のあいだの終わりのない対話なのです("an unending dialogue between the present and the past.")」というフレーズは、日本でも世界でもしばしば引用され再論されている。言語論的転回後のポストモダン期にも、R. J. エヴァンズ『歴史学の擁護』(1999)を受けて、あらためて議論されている[4]。
カーは同書において、「プロレタリア革命は階級なき社会という究極の目的を実現する」というマルクスの予言について、歴史の終わりという想定は、神学者のような終末論的な響きがあり、歴史の外にゴールを想定する錯誤へ立ち戻るものであると批判する[5]。カーは、マルクスは、世界の見方を根本的に変えたダーウィンとフロイトのような偉大な思想家であるが、だからといって、彼らの言葉が一字一句まで福音(絶対の真理)のように受け止められねばならないということではないし、その後発見や思想が彼らによってすでに予見されていたということでもないという[6]。カーは、1935年頃からソ連のスターリン体制の恐怖政治について明らかになると、自分が熱狂的な新ソ派だった分、幻滅と嫌悪は強烈となり、ソ連に対してきわめて敵対的になり、イギリス共産党にもまったく期待できなくなったと語っている[7]。
カーは、「わたしのユートピアは、「社会主義的」と呼ぶべきもので、この限りでわたしはマルクス主義的である。しかし、マルクスは社会主義の内容を若干のユートピア的フレーズ以外では明確にしていない。わたしとて、それはできない。しかしながら、その内実がどんなものであろうと、西洋のプロレタリアートは西洋のブルジョワ資本主義の末裔であり、次の段階の世界革命の担い手とみなすことはできない。そう考える点で、私は一個のマルクス主義者ではない」と語っている[8]。
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