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2025年8月31日 (日)

同人誌「序説第32号」、あす9月1日(月)発刊します   創刊1974年12月から51年目に

Zu Photo_20250831192601 1974年の創刊から51年目となる同人誌「序説第32号」(129頁)ー、あす9月1日(月)に発刊されます。同人の美術家の手による表紙と「『核』と『原発』がよりリアルな世界にー『第七次エネルギー基本計画』批判ー」など、見出し部分と「編集後記」をアップします。頒価500円ー。



編集後記    黒川純

昭和、平成、令和を生きてきているので、私たち「序説」同人のだれもがもうほとんど歴史的人間になっている。なにしろ、今回の「序説第32号」にしても、創刊51年目となるのだから。1971年の沖縄返還協定粉砕闘争、ベトナム反戦運動、連合赤軍事件、昭和天皇死去、1995年の阪神大震災と地地下鉄サリン事件、イラク戦争、2011年の福島第一原発事故、東日本大震災、コロナ、ウクライナ戦争、2025年初夏のイラン核施設空爆と、次々と歴史そのものに立ち合っている。ということで、このごろいやがうえにも「歴史」に向き合ってきたな、という思いを抱えるようになっている。そのせいもあり、そのものズバリ、歴史家、国際政治学者であるE・H・カー(エドワード・ハレット・カー、1892年~1982年)の『歴史とは何か』(清水幾太郎訳、岩波新書)を手にした▼この新書は学生時代に一度、手にしているが、半可通だった記憶がある。初版は1962年3月。手元の新書は2025年4月発行で、第96刷。息の長い定番中の定番の新書だ。若者時代から半世紀を経たが、今回も全部は理解できなかった。ただ、全254頁のうち、数少ない「なるほどねー」とほほ納得したというか、すんなり頭に入ってきたのは、第6章「広がる地平線」にある以下のフレーズだ。「科学にせよ、歴史にせよ、社会にせよ、人間現象における進歩というものは、もっぱら、人間が既存の制度の断片的改良を求めるにとどまることなく、理性の名において現存制度に向かって、また、公然たると隠然たるとを問わず、その基礎をなす前提に向かって根本的挑戦を試みるという大胆な覚悟を通して生まれてきたものであります」▼すんなりと読み通してしまいそうなこのフレーズが妙に頭にこびりついたのだが、それはこの文章のキイワードである「進歩」について。それも物事がしだいに望ましい方向に進んでいくという「進歩」という言葉そのものではない。<「進歩」を「変革」に置き換えた場合、確かにそういうことが言えるよね>。そう思えたため。変革とは、物事を根本から変えて新しくすることだ。「変革というものは、その基礎をなす前提に向かって根本的挑戦を試みるという大胆な覚悟を通して生まれてきた」。つまり、根本的、抜本的、徹底的などを指す「ラジカル」という私たちの時代の言葉に置き換えて読めたため。それで思わず気に入った文句だったのだなと思えた▼もともと「序説」は、「戦後の鬼っ子」と呼ばれた半世紀前の怒れる若者たちで創刊している。当然、既成の風潮、制度、体制、つまり、世の中の仕組みに対して、<これはどう考えても根本からおかしいぞ、そのまま認めるわけにいかない>、という気分や構えに満ちていた。そのためにそれこそ「根本的挑戦を試みてきた」という、今では歴史的な時間を共有していた。『歴史とは何か』の「進歩」のフレーズに思わずスパークしたのは、その記憶が今も鮮明だったためだと思う▼「序説」は昨秋の6日間、「序説創刊50周年記念展」を栃木県日光市杉並木公園ギャラリーで開いた。この記念展の連絡に必要だったこともあり、時期を同じくして序説の「ライン」をスタートさせた。このやりとりで特に盛り上がったのが、今号の「あとがき」について連絡を取り合っていた際、話題の中心が「アングラ」に及んだとき。「黒テント」「赤テント」や「浅川マキ」の「ガソリン・アレイ」、さらに「ちあきなおみ」の「夜へ急ぐ人」「紅い花」「黄昏ビギン」などに「いいね」が。「何でみんな若かりし日の話しになると、こうも素直に盛り上がってしまうのか」。そんな言葉も飛び交っていたが、世の中に向けて「変革」を形にしようとしてきた視線、見方、姿勢がこうした「空気」を共にさせてきたのではないか。それを思わせる私たちの「歴史」が次々と引火して「花を咲かせた」夏の一夜だった(黒川 純)

 

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