「反軍演説」議事録復活案浮上ー 石破首相が身を引くお土産にして欲しい
この記事には関心がー。斎藤隆夫衆院議員の「反軍演説」ー削除された内容を全部を知りたい。どんなところが軍部や当時の議会のやり玉にあげられたのか。その点を詳しく知りたいなと。「聖戦の美名に隠れてー」ぐらいは知っているが、全体は知らないので。石破首相が身を引くそのお土産にして欲しいなとー。
(以下は本日の朝日新聞ニュースレターから)…
前線(10月2日 朝日新聞ニュースレターから)
反軍演説」議事録の復活案浮上
石破首相が意欲、与野党協議で調整
(写真説明 帝国議会で壇上に立つ斎藤隆夫衆院議員)
日中戦争をめぐって政府や軍部の対応を厳しく批判した斎藤隆夫・元衆院議員(1870~1949)の「反軍演説」について、大半が削除された議事録の全文を復活させる案が与野党内で浮上している。今月中旬に退陣する石破茂首相は実現に向けて強い意欲を示し、自民党の森山裕幹事長に野党との調整を指示。ただ、議事録修正のハードルが高く、実現できるかは不透明だ。
立憲民政党所属の斎藤氏は、戦前戦中にわたって軍部に擦り寄る政治家を批判し、軍が政治に関わることの危険性を説いていた政党政治家。日中戦争が泥沼化していたさなかの1940年2月、帝国議会の衆院本会議で1時間半にわたり、「ただいたずらに聖戦の美名に隠れて……」などと国民に犠牲を要求する内閣や軍部を追及し、戦争の収拾を求めた。だが、反発した軍部は取り消しを求め、議長の職権で演説の全体として約3分の2にあたる後半部分の約1万字を議事録から削除。軍部の求めに多くの議員が従い、斎藤氏も帝国議会から除名された。翌年12月、日本は真珠湾攻撃を行い、太平洋戦争へと突入した。
反軍演説と呼ばれるこの演説をめぐっては戦後、一部の国会議員が議事録復活を求めていたが、首相もその一人。首相就任前に講演などでたびたびこの演説を引用し、就任後も1月の会合で斎藤氏が議会を追われた経緯に言及し、「議会、そして言論が権力に屈せず、本当のことを言わないと国は傾く」と主張した。
首相は9月に退陣表明に追い込まれたが、森山氏に議事録復活に向け野党との調整を指示。野党側の一部も「戦後80年の今だからこそやるべきだ」(立憲民主党のベテラン)と前向きで、来週中にも議長の諮問機関である衆院議会制度協議会で協議に入る方向で水面下で調整している。
復活実現へのハードルは
ただ、実現に向けてハードルは高い。衆院事務局によると、議事録から削除された部分を復活させた前例はないという。
復活できるかどうかは定かではない。
官邸内にも歴史的価値のある議事録の修正に慎重意見もある。官邸幹部の一人は首相に「負の歴史だが、帝国議会ではこうした過去があったということを残すことにも意義があるのではないか」と意見したという。この幹部は「帝国議会の決定を戦後の議会が覆していいのか」とも指摘する。
退陣直前の「レームダック(死に体)」化する首相による「レガシー(遺産)」づくりの側面もある。ただ、首相は周囲に「在任期間中に復活を決めるところまではしたい。俺がやらなければ、誰も未来永劫(えいごう)やろうとしない」と意気込みを語る。(森岡航平、安倍龍太郎)
斎藤隆夫氏の「反軍演説」(要旨)
・ただいたずらに聖戦の美名に隠れて、国民的犠牲を閑却し、〈中略〉国家百年の大計を誤るようなことがありましたならば現在の政治家は死してもその罪を滅ぼすことは出来ない
・国民に向って精神運動をやる。国民に向って緊張せよ、忍耐せよと迫る。〈中略〉国民に向って犠牲を要求するばかりが政府の能事ではない
・二年有半の間において三たび内閣が辞職をする。政局の安定すら得られない。こういうことでどうしてこの国難に当ることが出来るのであるか。畢竟(ひっきょう)するに政府の首脳部に責任観念が欠けている(斎藤氏の著書『回顧七十年』から引用。原文ママ)
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