学者の書くものを超えた「パリ燃ゆ」 その「あいさつ」を知り日光図書館から
「磁力と重力の発見」で大仏次郎賞を受賞した科学史家・山本義隆さんの受賞あいさつで、大仏次郎の「パリ燃ゆ」を激賞している。そのことを知ったのは、山本さんの最新刊「物理学の誕生」にあるその短文で。「あの彼が感動したというのだから、私もぜひ」ー。その3巻本(朝日新聞出版、2008年3月30日、第一刷)を真岡市公民館二宮分館経由の日光図書館から借り受けたばかり。その第1巻はいきなり主題であるパリコミューン(1871年に普仏戦争敗北後のパリで樹立された世界初の労働者階級による自治政府) の最後の戦闘場面から。まだぱらぱらだが、コミューン指導者の一人であるジャーナリストが銃撃で倒される場面が詳しく。この第1巻だけでも613頁もある。返却期限は来年1月4日だが、その間に3巻を読み切れるかどうか?ー、と思いつつ頁を追うことになるだろう。
(この本を手にするきっかけになった山本義隆さんの受賞あいさつの「抜粋」をネットから借用しました)
山本
義隆「第30回大佛次郎賞受賞あいさつ」より
大佛次郎賞という賞をいただいて、正直いうと私はどういう賞かよく知らなかったのですが、ただ大佛次郎という作家は、好きです。『鞍馬天狗』は読んでいませんけれども、一連のフランスものといわれるノンフィクション、とくにパリ・コミューンを扱った『パリ燃ゆ』は感激しました。 (……)私は物理学史をやっていますが、物理学史というものは一方では科学史のプロの批判に耐えなければいけないし、同時に物理屋が読んでも面白くて意味のあるものでなければならないというふうに思っているのです。まさしく大佛次郎の『パリ燃ゆ』は、学者でなく小説家の大佛次郎が、なおかつ歴史学者の批判に耐えるものを書いて、それによって学者の書くものを超えたのだなあとつくづく思っていますので、その名を冠した賞を受けたことを私自身も励みにして今後も勉強を続けていきたいと思っています。どうもありがとうございました。 …続きを読む »
(2004年1月28日の同賞贈呈式でのスピーチをもとに、月刊『みすず』2004年3月号、著者の同意を得て抜粋・転載)
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